宝塚 雪組・彩風咲奈&夢白あや新トップコンビ「ボニー&クライド」で御披露目
宝塚歌劇団雪組のトップスター彩風咲奈と新トップ娘役・夢白あやの御披露目公演「BONNIE&CLYDE」が6日、名古屋・御園座で初日を迎えた。
朝月希和の後任として、新トップ娘役に就任した夢白。本拠地・宝塚大劇場での御披露目公演「Lilacの夢路/ジュエル・ド・パリ!!」は4月22日に開幕するが、一足早く名古屋に登場。同作は伝説のギャング・カップルを描いたミュージカルで2011年にブロードウエイで、日本では12年に上演された。
1930年代の世界恐慌下のアメリカを舞台に、クライドとボニーの刹那的な生き様を、ドラマティックな音楽にのせて描き上げている。彩風は2人目の相手役となる10期下の夢白を巧みにリード。夢見ることさえできない現実の厳しさから犯罪に走るクライドを熱演。ふとした表情や眼力で、社会への怒り怒りを表現。太く短く破滅的に生きるクライドの疾走感を出した。
新トップ娘役の夢白は2017年初舞台の103期生。早くから注目され、大役を次々と演じてきたが、ボニーは宝塚の娘役の範疇を超えた女性。自作の詩を書き綴ったノートを常に持つ、文学少女の一面を持ちながらも、刹那的で情熱的な女性。夢白はほっそりとした娘役然とした雰囲気の持ち主だが、今回はボニーを体当たりで演じ、役に血肉を与えた。
和希そらは口跡もよく、弟思いで共に犯罪に走るクライドの兄・バックを演じた。妻のブランチ(野々花ひまり)との夫婦は、ボニー&クライドとは対照的。それでいて結果的に、同じ沼に落ちていく様は胸が痛い。
また咲城けいが、ボニーに恋する幼なじみの副保安官に抜擢。若手スターの華世京らは、クライドの犯罪集団「バロウ・ギャング」の一員を演じた。
彩風は初日を前に行われたゲネプロで「みんなそろって、最後まで元気に疾走していきたいと思います」とあいさつした。