西城秀樹さんおい、宅見将典さん グラミー賞 感激「ゆっくりかみしめていく」 小川慶太参加バンドも
米音楽界最高の栄誉、第65回グラミー賞の発表・授賞式が5日(日本時間6日)、ロサンゼルスで開かれ、作編曲家・宅見将典さん(44)のアルバム「SAKURA」が最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞を受賞した。宅見さんは歌手の故西城秀樹さんのおい。また、ドラマーでパーカッショニストの小川慶太(40)が参加するバンド「スナーキー・パピー」の作品が最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム賞に輝いた。
宅見さんは壇上で「言葉にならない」と感激のスピーチ。受賞後、取材に「こんな名誉な賞をもらえると思っていなかったので人ごとのようだが、ゆっくりかみしめていこうと思っている」と喜びを語った。同賞は西洋圏以外の古典音楽や英米を除く伝統的な民俗音楽など、世界の音楽の中で優れた作品に贈られるもので、日本人の受賞は初めて。
「マサ・タクミ」名義で発表した受賞作「SAKURA」は、日本の伝統楽器の箏(そう)や三味線を中心に二胡なども取りいれながら、桜の花の美しさやはかなさを表現した。
宅見さんは過去にも、スライ&ロビー&ザ・ジャム・マスターズのメンバーとして参加した「レゲエ・コネクション」が、第56回グラミー賞ベストレゲエアルバム部門にノミネートされた。日本レコード大賞では、AAAの「CALL」やDA PUMPの「P.A.R.T.Y~ユニバース・フェスティバル」の作編曲で優秀作品賞を受賞している。
米歌手ビヨンセは4部門を獲得。米メディアによれば、通算受賞数を32とし、英指揮者の故ゲオルグ・ショルティ氏を抜いて歴代最多となった。
主要4部門は、最優秀レコード賞が今年のFUJI ROCK FESTIVALのヘッドライナー、リゾの「アバウト・ダム・タイム」。最優秀楽曲賞が大ベテランのシンガー・ソングライター、ボニー・レイットの「ジャスト・ライク・ザット」。最優秀アルバム賞がハリー・スタイルズ(ワン・ダイレクション)の「ハリーズ・ハウス」。最優秀新人賞がジャズ歌手のサマラ・ジョイに決定。
また、1月11日に死去した高橋幸宏さんが、クリスティン・マクヴィーさん(フリートウッド・マック、チキン・シャック)らとともに追悼された。キャスケットをかぶり眼鏡をかけたポートレートが映し出され、「ミュージシャン、シンガー、レコードプロデューサー、イエロー・マジック・オーケストラ」として紹介された。
◆祝福の声
DA PUMP ISSA「『P.A.R.T.Y.~ユニバース・フェスティバル~』の楽曲を提供していただいた宅見将典さんが受賞されたこと本当に嬉しい限りです!この作品のミュージックビデオはニューヨークで撮影し僕らの思い出の1曲です!これからも更なるご活躍を楽しみにしてます!」
DAIGO「やったー!!おめでとう!!!!!宅見将典!!めちゃくちゃ嬉しい!!TGM!!宅見グラミーマサ!!!20年の付き合い!」(ツイッターから)
私立恵比寿中学「おめでとうございます エビ中はポケモンエンディングの『手をつなごう』と『アンコールの恋』の作曲、編曲をして頂きました。今後とも歌わせて頂きます!」(ツイッターから)
◆宅見将典(たくみ・まさのり)1978年11月14日生まれ、大阪市出身。13歳の時に出会ったX JAPANのYOSHIKIの音楽に影響を受け、バンドを組みながら作曲を開始。2001年、バンド「siren」でメジャーデビュー。脱退後は作編曲家、マルチ奏者として活躍。作風はダンスミュージックやJポップなど幅広く、EXILE、AAAなどに楽曲を提供。13年、KARAの「サンキュー サマーラブ」がヒット。
◆小川慶太(おがわ・けいた)1982年12月22日生まれ、長崎県出身。ドラマー、パーカッショニスト。2005年に米バークリー音楽院に入学してハンドパーカッションを学び、ヨーヨー・マら海外の一流ミュージシャンと共演を重ねた。ニューヨークを拠点に活動し、参加するジャズバンド「スナーキー・パピー」で17年と21年にも、米グラミー賞の最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム賞を受賞した。