イタリアのポピュラー音楽の祭典「サンレモ音楽祭」（７日～１１日）のオープニングで、モデルでインフルエンサーのキアラ・フェラーニが全裸に見えるクリスチャン・ディオールのオートクチュールのだまし絵ドレスを着用し、話題になった。

　これは２０１８年の春夏オートクチュールからインスペレーションを得たもの。この全裸に見えるチュールドレスは、キアラの裸体を模し、だまし絵を刺繍している。

　ルネサンス期のドイツの画家ルーカス・クラナッハのイブの絵画がモチーフで、「デスパレートな妻たち」のオープニングにも使用されている。キアラはインスタグラムで、クラナッハの絵画のようにリンゴを持ち、全裸ドレスを披露。「女性の権利、女性の身体、そして女性による女性の身体の処分が、残念ながら未だに議論の余地があり、疑問視されていることに注意喚起」するために着用したという。

　「ジェンダーの平等をすべての人に思い出させたいと考えています」「このヌードの錯覚は、男性の暴力を正当化したり、自分の過ちを軽減したりすることを許可していないことを思い出させたい」とつづっている。さらに「これはみんなの体です。罪のない者が最初の石を投げよ！」と聖書の言葉を引用し、呼びかけている。

　この全裸ドレスに対して、ファンからは「よくやった」「素晴らしい」という声の一方、「場違い」「不適切」「すべてがナンセンスだと言わざるを得ない」といった声も。賛否両論となっている。

　またディオールもこのドレスについて「だまし絵効果でボディラインを強調。きらめくチュール素材。きらめく衣装の背後のノウハウにご期待」とツイート、全身像と制作過程をアップしている。