【山田美保子のミホコは見ていた!】変わる、アナウンサー退社事情
かつて、在京局のアナウンサーが退社する理由は、別の部署への異動がきっかけだった。古い話になるが、話題になった第1号は、1997年、フジテレビを退社した岩瀬恵子元アナだろう。同年、広報部への異動が発表され、フリーに。ホリプロにその後、多くの局アナが所属するきっかけも作った。
学生時代から専門のスクールで勉強し、何百、何千の倍率を勝ち抜き、地方局ではなく在京局にアナウンサーになれる人は極わずか。入社年からレギュラー番組をもてる場合も少なくない。それが異動でアナウンサーではなくなるというのだから、退社したくなってもしかたがない。
だが、この1~2年は、帯番組で顔を見ていたような売れっ子アナウンサーが退社を決めるパターンが増えた。13日、3月いっぱいで日本テレビを退社することがわかった篠原光アナが4月以降、eスポーツキャスターに転身すると聞いて心から驚いた。篠原アナと言えば、「ZIP!」や「ヒルナンデス!」で大活躍していたのだが、大のゲーム好きとしても知られ、昨年7月には「ポケモンユナイト甲子園」の実況を担当していた。在京局で売れっ子になるよりも好きなゲーム実況のほうに魅力を感じるということなのか。古い人間からしてみると、理解に苦しむ決断だ。
いま、盛んにオンエアしている「ユニクロ」のCMで、タックワイドパンツを履いて闊歩している元TBSアナウンサーの国山ハセン氏の姿を見ても、同じような想いになる。現在、氏はビジネス映像メディア「PIVOT株式会社」の映像チームのプロデューサー。裏方のハズだが、こうして表に引っ張り出されてしまうのは仕方がないことなのか。
CMと言えば、元テレビ朝日の富川悠太氏は予想通り、香川照之の後、「トヨタイムズ」を引き継いでいるし、元日本テレビの青木源太氏は、タクシー内新情報番組「HEADLIGHT」に山崎怜奈と共に出演。その中で現在流れる「令和トラベル」のCMに出てくるのは元テレビ朝日から同社へ転職した大木優紀氏だ。
いずれも帯番組のレギュラーをもっていた人気アナウンサー。そして全員、まだ映ることや喋ることを忘れているわけではない。想いはそれぞれ異なるが、アナウンサーを採用するテレビ局側としては、この退社トレンドを早急に分析解明する必要があるようだ。