東映の代表取締役社長、手塚治（てづか・おさむ）氏が死去したことが１４日、分かった。東映が発表した。病気治療中だったという。６２歳。千葉県出身。通夜・告別式は近親者で密葬を行う。喪主は母美津子（みつこ）さん。お別れの会は後日開催予定。

　２０年に社長に就任、２１年６月に病気療養の必要が生じたと公表したが、社長業務は継続していた。１月３１日には日本映画製作者連盟の新年記者発表に出席元気な姿を見せていた。昨年「ＯＮＥ　ＰＩＥＣＥ　ＦＩＬＭ　ＲＥＤ」などアニメ作品の大ヒットで、東映が３２５億円の年間興収新記録を達成したことについて「先輩方の積み重ねが今ちょうど花開いた。なんと運のいい時に私がこの席に座っているのかと」と喜びを語っていた。

　上映中の木村拓哉主演の東映７０周年記念作品「レジェンド＆バタフライ」では製作陣に名を連ねた。「間違いなく映画の神に選ばれる一本になる」と力を込めた作品は、公開９日で興収１０億円超えを達成している。

　青山学院大学を卒業し、８３年東映に入社。プロデューサーとしてテレビドラマの「スケバン刑事」（フジテレビ系）、「科捜研の女」（テレビ朝日系）などを担当し人気シリーズに。映画では「ときめきメモリアル」「大奥」など数多くの作品を手がけた。

　死去を受け、東映は１４日、多田憲之会長が社長も兼任すると発表した。

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　沢口靖子（テレビ朝日系ドラマ「科捜研の女」に主演）「『科捜研の女』の生みの親でいらっしゃることが誇りです。昨年１２月に『東宝９０周年感謝の夕べ』でお目にかかり、お話したときのにこやかなお顔が忘れられません。いつも飾らない気さくなお人柄でユーモアがある方でした。本当に残念でなりません。心よりご冥福をお祈りいたします」

　南野陽子（フジテレビ系「スケバン刑事２　少女鉄仮面伝説」に主演）「私には兄の様な存在で、いつも温かく見守って下さいました。ライブにも来てくださると言っていたのに…。心より哀悼の意を表します」

　松竹・迫本淳一社長「闘病されていたとはお聞きしていましたが、最近はお元気になられて、つい先日まで会議でもご一緒しておりました。突然の訃報に接し、本当に信じられない思いです。これから映画興行をご一緒にますます盛り上げていきましょうと話していた矢先で本当に残念でなりません」