藤岡真威人 父・弘、を追いながら、らしさ表現 映画「仮面ライダービヨンド-」親子2代で本郷猛役
初代「仮面ライダー」の主人公・本郷猛役などで知られる俳優・藤岡弘、(76)を父に持ち、自身も俳優として活躍する藤岡真威人(ふじおか・まいと=19)。2021年公開の映画「仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ」では、父が50年前に演じた本郷役に挑戦した。今月14日には初の写真集「EXPRESSIONS」(東京ニュース通信社)を発売。偉大な父の背中を追いながら、自身ならではの表現を追い求める藤岡が、熱い覚悟と決意を語った。
父を彷彿とさせる凜々しい目元。真威人は「父の影響でミュージカルや映画に触れる機会が多くて。表現で人々に勇気や感動を与えられる職業に憧れを感じました。いつか自分が与える側になりたいと考えるように。人や作品に対する父の姿勢は学ぶ所がたくさんあります」と、素直に敬意を口にした。
親子2代にわたって本郷猛役を演じた映画「仮面ライダー-」が、大きな転機となった。「歴史のある作品ですし、その初代。しかも父が演じた役。多くの方がとても期待されていたので、どう向かっていけば良いか。役作りや準備にいろんな思いが混在して」と息子故の重圧も感じながら臨んだ。
「でも、あの役をできるのは父だけかなと。同じものは再現できないし、できたとしても意味がない。だから僕のできる表現をガムシャラに」。吹っ切るように真正面からバトンを受け取ったことが糧になった。
一方で、尊敬する父と同じ世界を選んだからこそ、自分自身の表現方法もしっかりと見据える。「僕は僕として。藤岡真威人として。自分なりの魅力を見つけていかないと」と決意をみなぎらせる。
その言葉のままに初の写真集となった今作は自分らしさを形にできたという。普段の“仕事顔”ではなく、プライベートな感情も見せたいという構想通り「いろんな表情を撮っていただけました」と手応え十分。撮影は主に沖縄で行われ、柔道、空手で鍛え抜いた肉体美を披露した。首里城をバックに道着姿でみせる古武道・杖術(じょうじゅつ)のカットは特に圧巻。19歳の藤岡真威人を余すことなく詰め込んだ。
12月には20歳の誕生日を迎える。「童心を忘れない20代になりたいです」と穏やかに話す。屈託のない笑みには、重圧を乗り越えて自分自身の世界を作り上げている充実感が満ちていた。
◆藤岡真威人(ふじおか・まいと)2003年12月28日生まれ。東京都出身。俳優・藤岡弘、の長男。20年に俳優デビューし翌年に映画「仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ」で本郷猛役に抜擢される。昨年は「恋に無駄口」(ABCテレビ)、「テッパチ!」(フジテレビ系)と立て続けにドラマ出演。空手、柔道、杖術(じょうじゅつ)など武道の経験多数。趣味はギター、音楽鑑賞、サバイバルキャンプ、釣り。