ブルース・ウィリス氏、認知症 妻エマ・ヘミング、元妻デミ・ムーアら公表 意思疎通も支障

 ブルース・ウィリス氏(2005年撮影)
 米俳優ブルース・ウィリスさん=2019年10月、ニューヨーク(AP=共同)
 米俳優ブルース・ウィリスさん=2019年1月、ロンドン(ロイター=共同)
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 アクション映画「ダイ・ハード」シリーズなどの主演で知られる元世界的俳優のブルース・ウィリス氏(67)が、認知症を患っていることが17日、分かった。妻でモデルのエマ・ヘミング(44)、元妻で女優のデミ・ムーア(60)ら、家族がそれぞれ公式インスタグラムで報告した。ウィリス氏は昨年3月、失語症の診断を受けたことを発表し、俳優業から引退する意向を明かしていた。

 約100作もの映画に出演し、世界でもトップクラスの人気を誇った名優中の名優が、衝撃の引退発表から1年弱でさらなる病魔にむしばまれていたことが明らかになった。

 妻のエマらはインスタグラムで「2022年春にブルースの診断を発表して以来、症状は進行し、現在では前頭側頭型認知症(通称FTD)という、より具体的な診断が下りています」と公表。失語症が認知症へと進行したことを明かした。すでに意思の疎通に支障が出ているとし、「残念ながら、コミュニケーションの難しさは、ブルースが直面している病気の症状のひとつに過ぎません」とつづった。

 その上で「辛いことではありますが、明確な診断がついたことで、ホッとしています」と、厳しい事実を受け止める覚悟も表明。治療法が確立していない難病にかかったことを公表することで「より深い理解と研究が必要なこの病気に、光が当たることを願います」と、同じ病気に苦しむ人の助けとなることを祈った。

 ウィリス氏は88年に映画「ダイ・ハード」の主人公、ジョン・マクレーン役で世界的スターに上り詰めると、その後も同シリーズや「フィフス・エレメント」(97年)、「アルマゲドン」(98年)、「シックス・センス」(99年)など歴史に残る大作に出演。87年と2000年にエミー賞、87年にゴールデン・グローブ賞を獲得した。

 ◆前頭側頭型認知症 脳の神経細胞に異常なたんぱく質がたまり、前頭葉と側頭葉が萎縮することで起こる「前頭側頭葉変性症」の一種。四大認知症の一つで、アルツハイマー型などよりも発症は少ないものの、若年層で比較的多いとされる。人格や行動に変化が表れることが多く、感情の抑制が利かなくなり、反社会的な行動や共感性の欠如、意欲の喪失、同じ動作を繰り返す常同性などが見られる。アルツハイマー型は病気の進行を遅らせる治療薬がすでに米国で販売されているが、前頭側頭型は根本的な治療がまだ確立しておらず、症状などを和らげる対処療法はあるものの、治療薬も開発されていない。

 ◆ブルース・ウィリス 1955年3月19日生まれ。西ドイツ(当時)出身。本名・ウォルター・ブルース・ウィリス。1970年代後半から俳優として活動、85年の米テレビドラマ「こちらブルームーン探偵社」でブレーク。その後「ダイ・ハード」シリーズなどで世界的地位を確立した。私生活では87年11月に女優のデミ・ムーアと結婚。88年に誕生した長女の女優、ルーマー・ウィリスをはじめ3女をもうけたが、2000年に離婚。09年にエマ・ヘミングと再婚し、12年に娘が誕生した。

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