西郷輝彦さん“ラストコンサート” 代表曲「星のフラメンコ」演奏 しのぶ会に600人 大村崑が爆笑秘話
昨年2月に前立腺がんのため75歳で死去した歌手で俳優の西郷輝彦さんをしのぶ会が命日となる20日、都内で営まれ、ともに御三家として活躍した歌手の舟木一夫(77)ら約600人が参列した。会の最後は、西郷さんの代表曲「星のフラメンコ」が演奏され、参列者たちが青いサイリウムを振る“ラストコンサート”に。ドラマ「どてらい男」で共演した大村崑(91)が爆笑秘話を明かすなど、おのおのが故人との思い出を振り返った。
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最先端治療を受けるために渡豪するなど、10年以上にわたるがんとの闘いの果てに西郷さんが旅立ってから1年。2000本の花で彩られた祭壇の中央で、西郷さんは優しくほほ笑んでいた。
鹿児島出身で大好きだった芋焼酎が献杯のために配られ、ディナーショーの衣装や公演ポスターなど200点以上のゆかりの品が展示された。ピアノとギターによる「星のフラメンコ」の演奏時には、参列者たちがサイリウムを振り、さながらコンサートのような雰囲気。発起人や関係者たちがスピーチする中で、爆笑をさらったのが大村崑だった。
西郷さんが演劇に進出し始めた頃の秘話を披露。名古屋公演で西郷さんがくしゃみの演技に苦戦したという。
“芸は見て盗め”の時代だったが「彼はなついて、トイレまでついてきて『教えてくれ、教えてくれ』って言うんです。でも、くしゃみは教えようがない。しまいには『売ってくれ』って言い出して『売ったら、こっちができなくなっちゃうよ』『そうですね』って。だから今日は、くしゃみをして別れました。喜んでくれていると思います」とニヤリ。
軽妙な再現で、演技の腕を磨こうとする若き西郷さんの気さくな人柄をにじませた。
後輩達は偉ぶらず、兄貴肌だった西郷さんに感謝の言葉を並べた。同じレコード会社の瀬川瑛子(75)は、ことあるごとに声をかけてもらい「お客さんの顔が明るくなることが支え」と伝えられたことを回想。高島礼子(57)はデビュー当時、太秦の撮影所で身を固くしていたところ、別の作品を撮影中の西郷さんに「肩の力抜いて。自然でいいんだよ」と励まされたエピソードを明かしていた。