新海誠監督&原菜乃華「夢のよう」アニメ映画「すずめの戸締まり」が「ベルリン国際映画祭」公式上映
アニメ映画「すずめの戸締まり」の新海誠監督(50)と声優を務めた原菜乃華(19)がドイツ現地時間23日、世界三大映画祭の一つ「第73回ベルリン国際映画祭」(26日まで)のレッドカーペットアライバル、プレミア上映に参加した。本作は日本アニメ映画では「千と千尋の神隠し」以来21年ぶりに「コンペティション部門」に正式出品されている。
本映画祭のレッドカーペットに初めて降り立った新海監督。世界各国のファンから、サインや握手を求められるなど、熱い歓迎を受けた。レッドカーペット初体験の原はあでやかな赤色の着物姿で笑顔を振りまいた。新海監督と原は口をそろえて「夢のようだ」と大興奮。2人はちょうネクタイ姿の草太(すずめのいす)とともに歩き、「(声優を務めた)松村(北斗)くんといっしょにいってきます」と力を込めた。
その後、プレミア上映が行われた。ソールドアウトした790席の観客へ、新海監督は作中の悲惨なシーンを説明しながら、「この作品は12年前の東日本大震災をベースにしています。今でも故郷に帰れない人たちがたくさんいます。エンターテインメント作品を楽しんでもらいながらも、少しでもそのことを知ってほしかった。どんなに大きな災害にあっても、人は笑いながら成長していきます。こうやってたくさんの方に笑いながら見てもらえたことが幸せでした」と語った。
原は「私はアニメが大好きで、新海監督の作品が大好きでした。そんな監督の隣でこのベルリンに来ることができて、こんなにたくさんの人に映画を見てもらえて、夢のようでぜいたくすぎる時間でした」と感無量のようすであいさつした。
公式行事を終えた新海監督は「ベルリン国際映画祭のレッドカーペットはとてもすてきでした。プレミア上映では、すごく笑いが起こっていました。日本とは違うところで笑いが起こるので勉強になりました」と振り返り、原は「ベルリンの方々の反応がとても良くて、たくさん元気をもらいました。世界中の方と感想を語り合えるような機会があったらいいなと思います」と語った。
本作は「君の名は。」(16年)、「天気の子」(19年)に続く新海監督の3年ぶり最新作。九州で暮らす女子高生・岩戸鈴芽(原)と、災いをもたらす扉を閉める「閉じ師」の青年・宗像草太(松村北斗)が、日本各地の廃虚を舞台に、災いの元となる扉を閉めていく旅を描く冒険物語。興行収入は137億円を突破している。