JAXA試験合格 宇宙飛行士候補に外科医の28歳・米田さんと最年長46歳・諏訪さん 4127人の中から

 文部科学省と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、昨年4月に始めた宇宙飛行士選抜試験に諏訪理さん(46)と米田あゆさん(28)が合格したと発表した。諏訪さんは世界銀行上級防災専門官、米田さんは日本赤十字社医療センター(東京)の外科医。現職は辞める見通しで、飛行士候補としてJAXAで訓練を約2年間受ける。2人は都内で会見し「可能であれば月に行きたい」(米田さん)と語った。諏訪さんは米国からオンライン参加した。

 13年ぶりの募集となったJAXAの宇宙飛行士試験で、2人は過去最多の4127人の中から選ばれた。

 諏訪さんは、会見の約24時間前に電話で合格を伝えられたといい「気持ちが高ぶって寝られなかった」。米田さんは「喜びと同時にびっくり」と笑顔と緊張の入り交じった表情で語った。

 米田さんは、JAXA飛行士として活躍した向井千秋さんの漫画の伝記が飛行士を目指すきっかけだったと明かした。「宇宙から地球を眺めて感動する向井さんの姿に感銘を受けた」。一歩だけ近づいた月面着陸への思いを「月食の日に、地球は月面から見るとどう見えるんだろう。見た人はまだいないんじゃないか」と語った。

 宇宙飛行士になってやってみたいことを問われ「無重力を体験し地球を眺めたい」。医師の知見を生かし「宇宙で人体がどうなるのかを調べ、地球の医療に還元したい」と抱負を述べた。

 諏訪さんにとってのきっかけは、小学生だった85年に地元の茨城県つくば市で開かれた科学万博。90年に日本人初の宇宙飛行を達成したTBS記者秋山豊寛さん(当時)を報じるテレビ番組にかじりつき、92年に米スペースシャトルに乗った毛利衛飛行士の講演に夢中になった。「本当に宇宙に行った人が語る言葉。重みというかきらきらしたものに引かれた」

 諏訪さんは青年海外協力隊でルワンダに派遣された経験があり、世界気象機関にも所属。米田さんは最難関の東京大医学部を2019年に卒業。3カ国語を操り大学ではヨット部、馬術部、テニス部に所属。ヨット部では数少ない女子選手として注目されていた。

 女性飛行士は向井さんらに次ぐ3人目。候補者選出時の年齢は諏訪さんが油井亀美也さんを上回る最年長。米田さんは若田光一さん、山崎さんと並び最年少となった。

 ◆宇宙飛行士選抜試験の経過

2021年12月20日 JAXAが募集開始

22年4月5日 JAXAが4127人の応募があったと発表

同22日 書類審査で2266人が合格したと発表

6月28日 英語や小論文の試験結果発表。205人が通過

9月30日 プレゼンテーション能力などを測る試験の結果発表。50人が通過

12月23日 50人のうち10人が最終試験に進んだと発表

23年2月28日 合格者を正式発表

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