「除名」ガーシー氏の今後は?旅券返納命令から「不法滞在」で逮捕の可能性も浮上、元刑事が解説

 「議場での陳謝」が求められていた参院本会議を欠席したガーシー氏の席
 政治家女子48党のガーシー参院議員
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 参院懲罰委員会は14日、政治家女子48党(NHK党から党名変更)のガーシー参院議員(51、本名・東谷義和)を「除名」とする懲罰案を全会一致で採決した。15日の参院本会議で、出席議員3分の2以上の賛成で可決すれば除名が正式決定し、参院議長が宣告した時点で、ガーシー氏は国会議員としての身分を失う。

 今回、ガーシー氏が除名処分によって議員でなくなることを認識しながらも帰国しなかった理由について、これまで報じられてきた脅迫や名誉毀損の容疑による逮捕の可能性を危惧した点も指摘されている。果たして、今後の行方はどうなるのだろうか。

 元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏はデイリースポーツの取材に対し「あくまで一般論の話です」と前置きした上で解説した。

 小川氏は「通常なら裁判所から逮捕状が発付され、しかも指名手配等になっている者が国外に逃亡し、在住している場合、旅券(パスポート)の返納命令を出すことができます。その際には現地にいる外務省(大使館)の職員が接触します」と説明した。

 その上で、同氏は「ガーシー氏の場合は逃亡したり、所在を明らかにしていないというわけではないので、大使館の職員は接触できると思われますが、現時点で接触していないということですから、同氏に旅券の返納命令は出ていない。つまり、逮捕状は出ていないのだと思います」と推測した。

 さらに、小川氏は「ガーシー氏は現職の国会議員ですから、不逮捕特権もあり、通常の流れとは違ってきます」と指摘。その“通常の流れ”については「警察が裁判所への逮捕状を請求し、逮捕状発付に問題がない場合は、裁判官による内閣への逮捕許諾要求書を提出、内閣による議院への逮捕許諾請求となり、議院本会議議決、議決の通知を受けた裁判所による逮捕状発付という流れになります」と手順を説明した。

 同氏は「ただ、逮捕状には有効期間があり、最初は7日間で、その後は1か月、3か月となるのですが、ガーシー議員は国外にいるため、この逮捕状では逮捕することができず、日本に帰国するまで逮捕はできません。また、逮捕状の期間を更新する際に、その都度、前記の煩雑な手続きが内閣や国会で必要となってきます」と付け加えた。

 小川氏は今後の流れについて「除名処分になって国会議員の資格を失えば、警察が逮捕状を請求する可能性があります。そうなれば、旅券の返納命令をかけるでしょう。実際に外務省の職員が直接通知できない場合は、外務大臣が官報に通知する内容を掲載し、20日間を経過した時点で本人に到達したとみなされます。日本の逮捕状での逮捕は国外ではありませんが、旅券返納命令になった者が国外に滞在している時点で不法滞在となり、逮捕される可能性は高いです」と解説した。

 つまり、国会議員でなくなることによって、「不法滞在」での逮捕という可能性も浮上してくるという。

 同氏は「そうなれば、日本に強制送還され、日本の領空内に入ったところで機内において逮捕されるという流れになります。機内での逮捕は、フィリピンから強制送還された者がいましたが、毎回、機内で逮捕するものでもなく、空港に到着してから逮捕する場合もあります。これは、今回考えられる動きです」と補足した。

 小川氏は「逮捕許諾請求の該当犯罪は懲役2年以上であり、ガーシー議員への容疑は常習的脅迫(暴力行為)が3か月以上5年以下の懲役、名誉毀損は3年以下の懲役、50万円以下の罰金ですから、どちらも該当します」と指摘。同氏は「ガーシー議員はトルコの被災地にて支援活動をしていましたが、トルコ政府と何らかのパイプがあるとしたら、また状況が変わってくるのでは」とも推測した。

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【小川泰平の事件考察室】ガーシー氏の今後は?

https://youtu.be/lHXcNHa3jh0

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