プーチン大統領に逮捕状 ウクライナからの子ども連れ去り関与疑い 戦争犯罪容疑

 国際刑事裁判所(ICC)は17日、ロシアが侵攻したウクライナからの子どもの連れ去りに関与した疑いがあるとして、戦争犯罪の容疑でロシアのプーチン大統領に逮捕状を出した。

 ロシアは猛反発し、身柄引き渡しを拒否する公算が大きい。本人を出廷させて公判を開くのは困難とみられる。ただ、プーチン氏が日本などICCに加盟する123の国と地域を訪問すれば逮捕される可能性があり、外交など行動が大きく制約される。ICCが過去に現職の国家元首に逮捕状を出したことはあるが、国連安全保障理事会常任理事国の元首に対しては初めて。プーチン氏への国際的な信用が一層失墜するのは必至だ。

 ICCのカーン主任検察官は、少なくとも数百人の子どもが児童養護施設などから連れ去られたと確認したと説明。大半が、ロシアで養子に出されたとみられる。タス通信によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は「ロシアはICCの司法権を認めておらず、決定に法的な意味はない」と指摘した上で「言語道断で受け入れがたい」と批判した。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は声明で「歴史的だ」と歓迎。子どもの連れ去りについて「テロ国家のトップの命令がなければできない犯罪的な作業だ」と非難した。ロシア、ウクライナはいずれもICC非加盟国だが、ウクライナは戦争犯罪についてICCの管轄権に同意している。

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