1月クールで5本に出演 引く手あまたの俳優・飯田基祐がまい進する“バイプレーヤー道”

 俳優・飯田基祐(56)が名バイプレーヤーとしてドラマにスパイスをまぶし続けている。2013年には民放ドラマ20本に出演。今年の1月クールではNHK大河「どうする家康」など5本に出演している。主演はオムニバスドラマで実は1度あるが、本人も忘れていたほど“バイプレーヤー道”をひたすらまい進。その中で芽生えてきた主役への渇望などを語った。

 現代劇から時代劇、父親から社長までマルチにこなす。「どうする-」では家康の父・松平広忠役を、「罠の戦争」では総理大臣秘書官を演じるなど、1月スタートのドラマは5本に出演。「次の台本のセリフを覚えなければいけないので、のんびりしている時間はないですね」と笑う。

 役の掛け持ちが多いため自作のリポートを作成しているという。「そこの役に行く時に読んで、ストーリーやこの人はこういうことでここまで来たんだというのを思い出して現場に戻るという感じですね」。芸歴は30年を超えるが「慣れない。終わると0に戻って次の現場で1から始めていくという感じ」と常に新鮮な思いを抱く。

 演技の世界に飛び込んだのは24歳の時。ほどなく劇団方南ぐみに加入。看板役者となるも、アルバイトで生計をつないだ。それだけに「お金さえもらえれば、なんでもやる」とオファーを引き受けてきた。カラオケビデオや再現ビデオ…。体の仕組みを紹介する番組で、前貼りを張るだけの“全裸”モデルに挑戦したことも。文字通り体を張って、キャリアを重ねてきた。

 主演は「一度もない」と言い張るが、実はあった。01年放送のテレビ朝日系オムニバスドラマ「ここだけの話」の中の短い1話での主演。事務所関係者から伝えられた本人は「ホント?」と半信半疑で「忘れちゃっているから、ないといっても過言ではない。ないんですよ」と笑い飛ばした。

 ただ、主演への渇望は「そりゃ、ありますよ」ときっぱり。17年にテレビ東京系で放送された「バイプレイヤーズ」シリーズへのオファーがなかったことに「まだそこまで行けてないのか」とへこんだこともあったというが「55歳になった時に、続けられるかもって思うようになった」とようやく手応え。主演作のイメージを「なんとか刑事とかやりたい。面白いじゃないですか」と思いをはせた。

 最初に所属した事務所の大先輩・伊東四朗の言葉を胸に刻んでいる。「どこで誰が見てるか分からないぞ」。仕事への真摯(しんし)な向き合い方を目の当たりにし、芸能界=破天荒というイメージが消えた。「しっかりしている方がそばにいてくれたおかげでここまで続けてくることができた」と感謝した。

 現在56歳。かつて手相を見てもらった際に「すごい長生きするって。80歳過ぎまで仕事してますよ」と言われたといい「80歳にターゲットを絞ってやっていきたいと思っています」と定める。今では見ない日はないほどバイプレーヤーとして定着した。これからも主役への思いを秘めつつ、地に足を付けて歩みを進めていく。

 ◆飯田基祐(いいだ・きすけ)1966年8月2日生まれ。東京都出身。90年から98年まで劇団方南ぐみで活動し、看板役者として全作品に参加。その後は数々のテレビドラマに出演。今年1月からはNHK大河「どうする家康」やフジテレビ系「罠の戦争」など5作に出演。身長177センチ。趣味はバイクツーリング。

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