【再録】坂本龍一さん死去 2021年に直腸がん発覚も「がんと生きる もう少しだけ音楽作りたい」
イエロー・マジック・オーケストラや「戦場のメリークリスマス」などの映画音楽で活躍した音楽家の坂本龍一さんが死去したことが2日、分かった。
2014年に中咽頭がんが見つかり、2021年1月には直腸がんであることを公式サイトで公表していた。当時は手術も成功。坂本さんも「これからは『がんと生きる』ことになります。もう少しだけ音楽を作りたいと思っています」と意気込んでいた。
【以下、2021年1月22日付デイリースポーツ再録】
音楽家の坂本龍一(69)が、直腸がんであることを21日、公式サイトで公表した。2014年に中咽頭がんで闘病しており、自身2度目のがん罹患(りかん)となる。今月受けた手術は成功し、現在は入院加療中だが、可能な範囲で仕事を続ける方針。今後は「がんと生きる」ことになるとし「もう少しだけ音楽を作りたいと思っていますので」と強い決意と覚悟を示した。
▼音楽活動「治療受けながらできる範囲で」
一度は乗り越えたがんと、再び向き合うことになった。坂本は「中咽頭がんが6年を経て寛解し安堵していましたが、残念ながら新たに直腸がんがみつかりました」と報告。「大いに落胆しましたが、すばらしい先生方との出会いもあり、無事手術を終えて現在は治療に励んでいます」と心境を記した。ワールドワイドに活躍しているとあり英語、中国語と合わせた3カ国語で発表文を掲載した。がんのステージは不明だが、関係者によると、昨年、体調が優れず自覚症状もあったため、日本の病院で検査を受け、がんが発覚。活動拠点の米・ニューヨークには戻らず、今年に入って手術を受け無事に成功。現在は入院加療中だという。期せずしてコロナ禍の医療現場を体感することにもなり、「未曽有のパンデミック下で医療機関、医療従事者、関係者のみなさまのご苦労が多いなか、真摯に患者と向き合う姿勢にはただただ頭が下がるばかりです」と感謝をつづった。
音楽活動は完全休止にはせず、「治療を受けながら出来る範囲で仕事を続けていくつもりです」と説明。3月30日に発売を控えるCDボックス「2020S」は、予定通りにリリース。3月5日から8月8日まで中国・北京で予定していた展覧会も、開催見込みとなっている。
14年6月に中咽頭がんと診断され、活動休止。15年12月公開の映画「母と暮せば」の劇中音楽で仕事復帰を果たした。いま一度、大病を克服するべく、「これからは『がんと生きる』ことになります。もう少しだけ音楽を作りたいと思っていますので、みなさまに見守っていただけたら幸です」と前向きな言葉をつづった。