日本将棋連盟 羽生会長誕生へ 立候補!「100周年で自分なりに力を尽くす」
日本将棋連盟の佐藤康光会長(53)は4日、会長職を今期限りで退任する意向を表明した。史上初の全七冠制覇を達成した羽生善治九段(52)が理事予備選挙へ立候補しており、6月の棋士総会を経て次期会長に就任する見通しとなった。
羽生九段の次期会長就任が、ほぼ確実となった。全七冠同時制覇など数々の記録を打ち立てたレジェンドが、藤井聡太六冠の登場で活況を呈する棋界のかじ取り役を担う。羽生九段は「2024年に(将棋連盟が)100周年を迎えるにあたり自分なりに力を尽くす所存です」とのコメントを出した。
6年以上務めた佐藤会長は記者会見で「今年に入って退任を考え始めた」と明かし、「将棋連盟は来年100周年を迎え、新しい将棋会館の建設も軌道に乗った。(新会長は)次のビジョンを描いてほしい」と述べた。
また、羽生氏については「羽生九段と話し合いを持ったことはないが、(理事の予備選挙に)立候補されたのは、将棋界にとって大きな事実と思う」と率直に語った。
「藤井人気」で将棋界は好景気に沸く。タイトル戦や女流棋戦が増加し連盟は新たに協賛社を獲得。メディアがプロ将棋の魅力を取り上げることで、多様な企業が興味を持ち、裾野が広がってきた。さらに知名度抜群の羽生九段が連盟のトップになれば、2024年は大きな節目となる。
一方、前人未到のタイトル100期を目指す羽生九段にとっては、理事職と棋士の兼業となる。特に会長職は多忙で、将棋の研究時間が取れなくなることが予想され、今後の成績に影響する可能性もある。
将棋連盟は今月26日に理事予備選を実施。6月9日の棋士総会で承認された後、理事会を開いて新会長が選任される。