「あの粘り強い麻雀が見られないのかと思うと残念」畑正憲さん死去に麻雀連盟が追悼
フジテレビ系「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」など動物との交流を描くテレビ番組に数多く出演し、「ムツゴロウ」の愛称で親しまれた作家の畑正憲(はた・まさのり)さんが5日午後5時53分、心筋梗塞のため北海道中標津町の病院で死去した。87歳。福岡市生まれ。葬儀は親族で行う。喪主は妻純子(じゅんこ)さん。動物のみならず、プロ九段の腕前を誇るマージャンなど多才だった畑さんを、日本プロ麻雀連盟や、各界の著名人も悼んだ。
畑さんは多才で知られ、中でもマージャンはプロ九段の雀豪だった。タフで連荘、徹マンを得意とし、雀魔王、十段などのタイトルを獲得。日本プロ麻雀連盟の最高顧問も務めた。デイリースポーツでも84年4~5月に「雀豪 畑正憲 ムツゴロウ激闘譜」を全9回、集中連載した。
訃報を受け、連盟は「競技麻雀の礎を築かれ、黎明期から麻雀の普及に尽力されました。選手としても数々のタイトルを獲得されるなどご活躍されてきましたが、突然の訃報に接し、あの粘り強い麻雀が見られないのかと思うと残念でなりません」と、森山茂和会長と灘麻太郎名誉会長の連名で追悼した。
プロ雀士もツイッターで悼んだ。連盟北海道支部本部長の喜多清貴は「麻雀のイメージが決して良いとはいえなかった時代に、ムツゴロウさんのお名前を拝借させていただきました事を、麻雀界隈の末席にいる者として最初に感謝いたします」。二階堂亜樹七段は「丁寧な所作で楽しそうに麻雀を打つ姿が印象的でした」。滝沢和典八段は第一回麻雀トライアスロンを「麻雀格闘倶楽部のスタッフさんをわしゃわしゃとあやしたり、サービス精神旺盛で心が豊かな方だと思いました。煙草の吸い方も格好良かった」と振り返った。
麻雀以外にも、囲碁はアマ五段で、草競馬騎手の顔も持っていた。画業は東京・銀座で40年近く個展を開く腕前で、「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」(04年)などの画集もある。また、作家になる前は記録映画を制作しており、86年に監督した映画「子猫物語」は興収98億円の大ヒットとなった。