雀卓囲んで最高100時間 勝負への執着心強かった 畑正憲さん死去 灘麻太郎さん悼む
フジテレビ系「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」など動物との交流を描くテレビ番組に数多く出演し、「ムツゴロウ」の愛称で親しまれた作家の畑正憲(はた・まさのり)さんが5日午後5時53分、心筋梗塞のため北海道中標津町の病院で死去した。87歳。福岡市生まれ。葬儀は親族で行う。喪主は妻純子(じゅんこ)さん。動物のみならず、プロ九段の腕前を誇るマージャンなど多才だった畑さんを、日本プロ麻雀連盟の灘麻太郎名誉会長が悼んだ。
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ムツゴロウさんとは50年来の付き合いになるが、とにかく勝負への執着心が強かった。雀卓を囲めば3日間ぶっ続けは当たり前。誰かがやめようと言ったら怒り出す。やめさせるのはオレの役目で、彼がちょっと勝っているときに声をかけてようやく終わった。
最高は100時間。雀魔王戦というタイトルがあって、医者を横につけ、人間の体力がどこまで持つかという持久戦。舞台は動物王国で、猫や犬だけでなく、鳥までもが部屋の中に入ってくる。気の悪いシャム猫に足をかまれたし、俳優の葉山良二の頭には鷹が止まったこともある。朝になると煙突からスズメが侵入してきてチュンチュン鳴く。最初の1、2回はホームのムツゴロウさんが勝ったけど、全部で6回やって3勝ずつの五分に持ち込めた。
ムツゴロウさんに鍛えられたけど、オレもムツゴロウさんを鍛えたような気もしている。天国に行っても阿佐田哲也さんら作家の打ち手がいっぱいいる。大好きな麻雀を心ゆくまで楽しんでください。