首相襲撃事件 木村容疑者、安倍氏国葬批判していた 昨年7月参院選立候補できず地裁に本人訴訟も棄却 国政に不満か

 岸田文雄首相の演説会場で起きた爆発事件で、威力業務妨害容疑で逮捕された木村隆二容疑者(24)=兵庫県川西市=が、被選挙権の年齢制限などから参院選に立候補できなかったのは憲法違反だとして、国に損害賠償などを求めて神戸地裁に提訴し、棄却されていたことが18日、分かった。訴訟では安倍晋三元首相の国葬実施や、安倍氏と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を批判していた。

 木村容疑者が選挙制度や政権に対する不満を募らせていた可能性があることが明らかになってきた。

 昨年7月の参院選で被選挙権の年齢を満たさず供託金もないため立候補できなかったとして提訴。代理人弁護士を付けない「本人訴訟」だった。請求を棄却する判決を受け大阪高裁に控訴し、今年5月に判決が言い渡される。

 昨年10月に地裁に提出した準備書面には「岸田内閣は故安倍晋三の国葬を世論の反対多数の中、閣議決定のみで強行した。民主主義への挑戦は許されるべきではない」と記載。「(安倍氏が)政治家であり続けられたのは旧統一教会のようなカルト団体、組織票を持つ団体と癒着していたから」と主張、こうした政治家がいるのは被選挙権が制限されているためと訴えていた。

 また、容疑者は昨年9月、川西市の公民館で自民党系市議だった女性が開いた市政報告会に参加し、参院選の被選挙権(30歳以上)を「引き下げるべきだ」と主張していたことも判明。出席した大串正樹衆院議員の事務所によると、容疑者とみられる人物が大串氏に「市議選に出馬したいが被選挙権を25歳から引き下げるべきだ」と主張。会話は20分ほどに及び、芳名帳に容疑者の氏名が記録されていた。

 事件は15日午前11時25分ごろ、和歌山市の雑賀崎漁港で発生。岸田首相が演説する直前に爆発物が投げ込まれた。

 筒状の爆発物に金属製のナットを取り付けていたとみられることも判明。和歌山県警は威力を高める目的だった可能性があるとみており、殺人未遂容疑を適用するかどうかも含めて慎重に調べる。容疑者は黙秘を続けているという。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス