宮川大助・花子、4年ぶり漫才 がん・心不全乗り越え20分しゃべくり、客もイジる「あと2時間話したい」

 血液のがんの一種、多発性骨髄腫で闘病中の夫婦漫才コンビ「宮川大助・花子」の宮川花子(68)が1日、大阪・YES THEATERで夫の宮川大助(73)と「宮川大助・花子の『おまたせ!』」公演を行い、約4年ぶりに漫才を披露した。

 大助が押す車いすに乗り、手を振って登場すると客席から割れんばかりの拍手で迎えられた。オープニングでは、完治は難しい病だと話した上で「いろいろな薬でなんとか生きてます。たぶん、みなさまより長生きすると思います」と客席をイジり、絶好調を見せつけた。

 漫才は車いすの花子といすに座った大助がセンターマイクを挟む新しいスタイルで行われた。体調の経過や闘病中の出来事をネタに約20分間マシンガントーク。右目奥にできた腫瘍の影響で右目が見えにくく、客席の反応が見えないという困難もありながら、なめらかなしゃべりで爆笑をさらった。

 イベントには娘の宮川さゆみや弟子の宮川隼人、宮川たま子も出演した。花子は「こんなに幸せな復帰はない」「楽しすぎた」と笑顔。約2時間のイベントを終えても「あと2時間話したい」と力をみなぎらせていた。

 2019年6月に名古屋・大須演芸場に出演して以来の夫婦漫才。「ネタ合わせする体力が嫁はんになかったので」(大助)と、花子が考えた台本の大まかな流れを打ち合わせしたのみで本番に挑んだ。大助は「『漫才ってどんな呼吸でやっていたかな』と思って不安だったけど、嫁はんは『楽しもう』って言っていた」。舞台に立つ妻を間近で見届け「嫁はんのペースでどんどん話していたので、楽しんでいるんだなと思った」と語った。

 1988年に胃がんを患った花子は、2019年上半期にがんの再発が発覚し入院。20年4月に退院し、奈良県内の自宅で大助の介護を受け暮らしている。22年10月29日には治療の副作用で心不全を起こし救急搬送され、3日間意識不明になっていた。

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