血液のがんの一種である多発性骨髄腫で闘病中の、夫婦漫才コンビ「宮川大助・花子」の宮川花子（６８）が１日、大阪・ＹＥＳ　ＴＨＥＡＴＥＲで夫の宮川大助（７３）と「宮川大助・花子の『おまたせ！』」公演を実施。２０１９年６月の名古屋・大須演芸場に出演して以来約４年ぶりに漫才を披露した。体力的な不安から“ぶっつけ本番”となったが、持ち前のマシンガントークは健在で、爆笑を巻き起こした。

　大助が押す車いすに乗った花子がステージに姿を見せると、客席からは割れんばかりの拍手が舞った。オープニングでは「３日前に抗がん剤を打ちましたが、今日はすこぶる元気です！」とあいさつ。「いろいろな薬でなんとか生きてます。たぶん、みなさまより長生きすると思います」と、いきなり“絶口調”だった。

　車いすの花子といすに座った大助がセンターマイクを挟み、体調の経過や闘病をネタにした約２０分間の漫才を披露。右目奥にできた腫瘍の影響で右目が見えにくく、客席の反応が伝わりづらい中でも、よどみないしゃべりで爆笑をさらった。花子は「こんなに幸せな復帰はない。楽しい舞台をさせていただいたのはみなさんのおかげ」と笑顔。約２時間のイベント終了後も「あと２時間話したい」と力をみなぎらせた。

　花子は１９８８年に胃がんを患い、２０１９年に再発。２０年４月に退院したが、２２年１０月には治療の副作用で心不全を起こし３日間意識不明になるなど、闘病が続いていた。大助は「ネタ合わせする体力が嫁はんになかったので」と、花子が考えた台本の大まかな流れを打ち合わせしたのみだと説明。「元気さにびっくりした。嫁はんのペースでどんどん話していたので、楽しんでいるんだなと思った」と、妻の“完全復活”を喜んだ。