【山田美保子のミホコは見ていた!】「さかがみ家」一周年、闘う坂上忍を支える人々
4月29日と30日、有明(江東区)の「パナソニックセンター東京」で開催された「パナソニック保護犬猫譲渡会2023」を見てきた。
多くの動物保護団体が、いわゆる保健所から犬や猫を“引き出す”ことで、殺処分される頭数が劇的に減りつつある日本。だが、多くの団体は手弁当で活動をしているうえ、譲渡会を開催したくても多くの犬や猫がストレスなく過ごせる大きなケージを並べられるスペースを探すのも一苦労だという現状がある。
そんな中、広い会場を提供し、芸能人や有名人が迎えた保護犬、保護猫のパネル展や、グッズ販売、そして譲渡会を昨年に続き開催したパナソニックを評価する動物保護団体や、愛犬家、愛猫家はとても多い。
その一人に坂上忍がいる。坂上が私財を投げ打ち、千葉県に犬猫保護ハウス「さかがみ家」をオープンして約1年が経った。当初は「おーあみ避難所」の大網直子氏の指導を仰ぎ、スタッフと共に保護犬や保護猫の“預かり”からスタート。だが昨年、「さかがみ家」が初めて参加した譲渡会では、1匹も新しい家族が決まらず、厳しい現実を経験していた。
それでも「寄付やクラウドファンディングに頼らない自立した施設」を目指した坂上は、保護活動だけでなく、自ら打ち合わせから参加し、衣類や消臭スプレー、最近では犬や猫のご飯に混ぜる「ふりかけ」などのオリジナルグッズを開発、販売。さらに昨年は一カ月限定ながらレストランをオープンし、驚くほどの売上を記録した。
ときには坂上自らが大量の誤発注をしてしまい、「さかがみ家」も、隣接するスタッフの宿泊施設も大きな段ボールだらけにしてしまったことも。それでも、大親友の野々村真や、元SKE48の桑原みずき、俳優の古山憲太郎、小野真弓、嘉門洋子らスタッフに支えられ、多くの保護犬や保護猫を新しい家族の元へと旅立たせている。
「まだ自分の知名度は役立つ」とも言う坂上は、「パナソニック~」の譲渡会やトークショーの翌日は「ボートレース多摩川」に出張。「さかがみ家」のグッズや犬用スイーツの販売をしている。
そんな中、坂上をもっとも支えているのは、ファンから「ママさん」とか「彼女さん」と呼ばれている交際女性だ。保護ハウスではない“リアル坂上家”には“26兄弟”の犬や猫をときにはワンオペで世話している彼女に「もちろん感謝している」「彼女なしでは成り立たない」と明言する坂上忍の“現れ”もまた、この1年で大きく変化しているのである。