「CASHERRN」紀里谷和明監督 テレビやSNS断絶宣言「表に出るのは最後」マツコの番組で「社会に関わる理由ない」
「CASHERRN」などを手がけた映画監督の紀里谷和明氏(55)が6日、日本テレビ「マツコ会議」に出演。「テレビに出るのはこれが最後。表に出るのはこれが最後。SNSも全部やめる」と宣言した。
監督映画「世界の終わりから」が公開中の紀里谷氏。マツコデラックスが「映画はもういいってこと?」と聞くと、「全般ですよね。15歳から40年くらいやっている。創作全般を1回ストップさせないと」と創作活動を休止することを明かした。
その理由を語る上で、AI技術の革新によるクリエイティブ環境の変化を語った。
「去年の11月からAIのChatGPTが公開されて、いまGPT4まで来てますけど、カメラマン終了、絵描き終了、グラビアアイドル・モデルも終了。音楽家も終了という時代ですよね。もう来てますよね。それが動画に行くのもすぐそこ。たとえば日本でも、頭がよいという価値観がもてはやされていて、あなたは頭がいい、頭が悪いみたいなことを言っている。それすらも無効化してしまう。AIに比べたらみんなバカ」
そう説いた紀里谷氏は、「そうなったときに、何が人間に必要とされるかというと、どれだけ人に優しいか、どれくらい人に愛されるかと思う」と求められる価値観が変わりゆくことを予想した。
マツコは「TikTokがこんなに人々の中心になるなんて、想像すらできてなかった。YouTubeも脅かし、コンテンツで中心にきてる」と切り出し「紀里谷さんがすごい大所帯を連れて、ものすごい大金と技術力とセンスを融合させた中で撮影している映画と、何秒かの動画を一人で計算しながら撮影しているクリエイティブってもう違うじゃない。でもそっちでよくなって来ている部分がある」と話した。
その話を受けた紀里谷氏は「それに関わりたくないというのがありますよね」とコメント。さらに「嫌われることに疲れちゃった」と作品と関係ない私生活や家族について言われたバッシングを受けたことについて「まだにそれを言われるし。それが固定してしまっているので、少なくとも日本ではリセットボタンを押すしかない」と決断の意味を言葉にした。
続けて「今の人たちって向き合わない。向き合っているフリをするけど、それがお芝居で、自分たちがお芝居していることすら分かっていない。仮面をかぶっているわけですね、みんな。それがすごく嫌だ。それについてボクもいろいろ言ってきたけど、それすらも言ってはいけない。とすると、社会と関わる理由がない」と社会と関わることに絶望したことも吐露。現在は、海外の山奥で自給自足の生活をしているという。
紀里谷氏は2004年に「CASHERRN」を監督。また2002年には宇多田ヒカルと結婚したことも話題となった。