是枝裕和監督 坂本龍一さんとのタッグに「誇り」最新作「怪物」でのオファー述懐
映画監督の是枝裕和氏が8日、都内で行われた同氏の最新作「怪物」(6月2日公開)の完成披露試写会舞台あいさつに主演の安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太らと出席。音楽を担当した故・坂本龍一さん(享年71)への思いを口にした。
同監督は「本当に、亡くなられたのは残念ですけども、最後にこういう形でご一緒できたことは誇りです」と感謝。坂本さんへのオファーについて「撮影場所が諏訪に決まり、脚本の風景が明快になった時、夜の湖に坂本さんのピアノが響けば良いと思った」と述懐。許可が出る前に坂本さんの楽曲を映像に仮当てしていたといい、制作当初からの構想だったと明かした。
撮影終了後に手紙などを送りオファー。「全部を引き受ける体力は残っていないけれど、、イメージは何曲か浮かんでいるので、良かったら使ってください」と手紙が届き、2曲が書き下ろされたという。同作には他に1月に坂本さんが発表したオリジナルアルバム「12」に収録されている楽曲なども使われているという。
同作は16日に開幕する「第76回カンヌ国際映画祭」で、最高賞パルムドールを競うコンペティション部門に正式出品されることが決まっている。「万引き家族」に続く自身2度目のパルムドールに期待がかかる同監督は「光栄です。楽しんできたいと思います」とし「素晴らしい映画ができたと確信しています」とスタッフやキャストに感謝していた。