将棋の藤井聡太竜王（２０＝王位、叡王、棋王、王将、棋聖との六冠）が１０日、東京都渋谷区の将棋会館で指された第７１期王座戦挑戦者決定トーナメント１回戦で中川大輔八段（５４）を８７手で破り、ベスト８に進出。永瀬拓矢王座（３０）へのタイトル戦挑戦へあと３勝とし、史上初の全八冠制覇へ好発進した。

　対局を終えた藤井竜王は「王座戦ではなかなか結果を出せていないので、少しでも上に行けるよう頑張りたい」と５期ぶりの８強に安どの表情。中川八段は「差がついてしまった。なんとか八冠阻止に向けて頑張るつもりでしたが」と肩を落とした。

　藤井竜王は準々決勝で木村一基九段（４９）－村田顕弘六段（３６）の勝者と対戦する。注目の全八冠制覇へは、保持するタイトルの防衛に加え、王座戦と名人戦奪取が必須。１３、１４日には名人戦７番勝負第３局が控える。現在は渡辺明名人（３９）を２勝０敗とリードしている。