鈴木大介九段異例の二刀流だ プロ棋士&プロ雀士に! Mリーグにも意欲 資格取得を麻雀連盟発表
日本プロ麻雀連盟は11日、将棋の鈴木大介九段(48)が5日付で同連盟のプロ資格を得たことを発表した。鈴木九段はこの日、都内で同連盟の森山茂和会長(71)とともに記者会見を実施。将来的にはプロリーグである「Mリーグ」への参加も視野に入れていることを明かすなど、プロ棋士にしてプロ雀士という異例の“二刀流”挑戦への意気込みを語った。
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将棋と麻雀という異なる頭脳戦での挑戦が始まる。鈴木九段はプロ雀士を目指すきっかけについて、19年に参加した麻雀のタイトル戦である「最強決定戦」での優勝を挙げた。それまでは、あくまで趣味の一つとして捉えていた麻雀だったが、大会でプロたちと卓を囲んだことで興味は膨らんでいった。
将棋界でも、麻雀の強豪として知られていた存在。「子供の頃からの家族麻雀で始まり」と振り返るが、棋士同士での3人麻雀などで経験を積み、最近では異業種の実力者との対局も増え実力を磨いてきた。会見に同席した連盟の森山会長も「破壊力がある麻雀。高打点を目指し、常に攻め続ける」と雀力を評価するほどだ。
もちろん、将棋の研さんを止めるつもりはない。これまで名人戦順位戦では最上位のA級に通算4期在籍し、99年度のNHK杯で優勝。タイトル挑戦も竜王戦と棋聖戦で各1回経験している実力派だ。「麻雀界に入ったから将棋の成績が落ちたというのはプライドが許さない。どっちか勝てばいいやと、いうつもりはない」と語り、Mリーグ入りについても「自分の憧れの舞台。もしお話があればぜひ出たい」と意欲を燃やした。
異例の挑戦だが、将棋界からも後押しを受けた。「相談している中では、おおむね『いってこい!』という反応が多かった。自分が麻雀界に踏み込むことで、将棋指しの中でも第二、第三の(人が続けば)。特に将棋界は若手で麻雀が強い棋士も多いので、入ってくれればうれしい」。将棋盤と麻雀卓をつなぐ架け橋としての役割にも期待がかかる。
◆鈴木大介(すずき・だいすけ)1974年7月11日生まれ、東京都出身。故・大内延介九段門下として1986年に6級で奨励会に入会し、94年10月に四段昇段。豪快な攻めが持ち味の振り飛車党。2017年から日本将棋連盟の常務理事を務める。麻雀では19年に著名人枠として参加した麻雀最強戦で優勝。最強位のタイトルを獲得した。
◆“二刀流”のプロ雀士 主に芸能界に多く、鈴木九段が加入した日本プロ麻雀連盟には、俳優・萩原聖人が2018年7月に所属したほか、元乃木坂46・中田花奈、グラビアアイドル・岡田紗佳らが所属している。4月に死去した「ムツゴロウ」こと畑正憲さんは同連盟九段で、最高顧問を務めた。また日本プロ麻雀協会には、昨年8月に歌手・浅香唯が合格。その他、元KAT-TUNの田口淳之介やグラビアアイドルの長澤茉里奈も所属している。