次期朝ドラモデルの名歌手・笠置シヅ子 幻のブギ発見75年ぶり発売へ

 笠置シヅ子さんの幻の音源「北海ブギウギ」が75年ぶりに発売される
 笠置シヅ子「北海ブギウギ」の歌詞カード
 「北海ブギウギ」のSP盤
3枚

 次期NHK連続テレビ小説「ブギウギ」(10月スタート)のヒロインのモデルとなっている往年の名歌手・笠置シヅ子さん(1914~85)の、幻の音源「北海ブギウギ」(48年)がこのほど発見されたことが11日、分かった。2枚組CD&配信アルバム「笠置シヅ子の世界~東京ブギウギ~」に収録されて今年7月19日、実に75年ぶりに発売される。

 ◇     ◇

 笠置さんはパンチの効いたパフォーマンスで知られ、作曲家の服部良一と組んで数々のヒット曲を生み出した。笠置さんの楽曲は、現存する資料によれば、40年のデビュー曲「ラッパと娘」から最後の作品とされる56年の「たよりにしてまっせ」まで全57曲。中でも「東京ブギウギ」、「ジャングル・ブギー」、「買物ブギー」などタイトルに「ブギ」が付く楽曲を16曲残し、「ブギの女王」と称された。

 そのうちの5枚目で、北海道を舞台にした、北海道蓄音機商組合創立15周年記念の楽曲「北海ブギウギ」だけが、89年のCD「ブギの女王」リリースに当たっての調査では、レコード会社の日本コロムビアでは音源が見つからず、SP盤も発見できていなかった。

 今回、音源監修を務めた、音楽史研究家でSP盤に造詣の深い郡修彦氏(60)のネットワークを通じて、「北海ブギウギ」のSP盤を所有している人物から借りて音源をマスタリング。SP盤が発売された48年以来、75年ぶりにCDと配信の形態で発売されることになったものだ。アルバムには笠置さんのブギウギ関連16曲全てと、デビュー曲「ラッパと娘」やラストシングル「たよりにしてまっせ」などが収録される。

 日本コロムビアの担当ディレクター、衛藤邦夫氏は「時代を超越した笠置シヅ子の持つパワフルな歌唱とリズム感を是非お楽しみください」とコメントしている。

 ◆笠置シヅ子(かさぎ・しづこ)本名亀井静子。1914年8月25日生まれ、香川県出身。27年、大阪松竹楽劇部入り。三笠静子の芸名で初舞台。芸名を笠置シズ子と改め、作曲家・服部良一と組んでジャズ歌手として売り出す。47年の「東京ブギウギ」が大ヒットし「ブギの女王」と称される。56年の「たよりにしてまっせ」を最後に歌手を引退。女優業やTBS「家族そろって歌合戦」の審査員などで活躍。85年死去。

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