ジャニーズ事務所・ジュリー社長 ジャニー氏性加害疑惑謝罪 動画に出演 計4度頭下げる
ジャニーズ事務所は14日、報道各社に送付した書面および公式企業サイトで、元ジャニーズJr.の男性が故ジャニー喜多川前社長(2019年に死去)から性的被害を受けたとされる問題について、見解と対応を明らかにした。同サイトでは、藤島ジュリー景子社長(56)が自ら動画に出演。約70秒にわたり「世の中を大きくお騒がせしておりますこと心よりおわび申し上げます」などと謝罪した。書面で質問に回答し「目の前に被害にあったと言われる方々がいらっしゃることを、重く受け止めております」などと記した。
黒いスーツ姿のジュリー社長は、「この度は、創業者ジャニー喜多川の性加害問題について世の中を大きくお騒がせしておりますこと心よりお詫び申し上げます」と謝罪。「何よりもまず被害を訴えられている方々に対して深く、深くお詫び申し上げます。そして関係者の方々、ファンの皆様に大きな失望とご不安を与えてしまいましたこと、重ねてお詫び申し上げます」と計4度にわたって頭を下げた。表舞台には一切姿を見せないことで知られる同社長が、異例の対応で事態に向き合った。
この問題は、3月に英公共放送BBCが、ジャニー氏による性加害疑惑を巡りドキュメンタリー番組を配信。4月に元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏(26)が都内で会見を行い、同事務所在籍当時、ジャニー氏から性的被害を受けたと告発していた。
ジュリー社長は動画に加え、各方面からの質問に文書で回答。「事実であるとすれば、まず被害を訴えておられる方々に対してどのように向き合うべきか、また事務所の存続さえ問われる、極めて深刻な問題だと受け止めました」と答えた。
事実関係については「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」とし、「当然のことながら問題がなかったとは思っておりません。会社としても、私個人としても、そのような行為自体は決して許されることではないと考えております」と記した。
今後は、再発防止のためコンプライアンス遵守を強化するとともに、被害を訴えてきた人たちには「カウンセラーをはじめ、専門家の力もお借りしつつ、誠実に向き合ってまいります」と対応していく。オカモト氏とは直接対面したことを明かし「まだまだこれからではありますが、私たちが変わるきっかけをくださったと受け止めております」とつづった。
また、自身の経営責任について「私が辞職する選択肢も考えました」としながらも、「これから先、二度と同様の問題が起こらないよう、既に着手しはじめている経営改革、社内意識の抜本的改善をやり抜くことだと考えていります」と意思を明らかにした。
◇ジュリー社長は元ジャニーズ事務所会長の故藤島メリー泰子氏の長女で、ジャニー氏の姪。かつては女優としても活動。大学卒業後、テレビ局勤務を経て、ジャニーズ事務所の自社レーベル「ジャニーズ・エンターテイメント」の初代社長に就任。メリー氏と同事務所副社長を務め、19年のジャニー氏の死去に伴い、社長に就任した。