柚希礼音 戦う女性に共感 宝塚トップ時代を想起し「自分がやるしかない」
元宝塚歌劇団星組トップスターで女優の柚希礼音が18日、大阪市内で主演ミュージカル「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」の取材会に出席した。6月5日から東京、24日から福岡、大阪では29日から公演が行われる。
2019年に読売演劇大賞優秀作品賞を受賞した作品の再演。19世紀半ばのアメリカ北部を舞台に、女性の権利を求め労働運動を率いた実在の女性を描く。柚希は「新たなメンバーに、振り付けも芝居も結構変わり、また新しい作品を作っているかのよう」と、新鮮な気持ちで稽古に臨んでいるという。
柚希演じるサラは、貧しい家族を助けるため紡績工場で働くが、劣悪な労働環境を変えるべく自ら立ち上がる。柚希は「本当は無邪気で素直な田舎の女だったのに、立場がどんどんサラを変えていく。そんな経験をしたな、という感じ」と、自らの宝塚時代を想起。「何度も何度もうまくいかないから、落ち込んだりして出て行こうとするんだけど、みんなが助けてくれて、それが本当にトップ時代のようで。だんだん自分がやるしかない、って思えてくるんです」と、思い入れたっぷりに語った。
初演時は「無我夢中」で駆け抜けた結果の受賞だったが、今回の再演は「ちょっとハードルが上がっている」と、肌で感じているという。宝塚時代の再演経験を思い出しながら「本当にすごくいいものにしないと。ハードルが上がっているとみんなで自覚しながら。プレッシャーは感じてしまうけど、ちゃんと稽古して、いっぱいみんなで話し合って、納得のいくものを作ったときはちゃんと届くと信じてやります」と、強い決意を口にした。