北野武監督 カンヌに「呼ばれて光栄」 新作「首」上映前に西島秀俊らと現地に集結
フランス南部で開かれている第76回カンヌ国際映画祭のカンヌプレミア部門で、北野武監督(76)の6年ぶりの新作「首」が上映される前日の22日(日本時間23日)、同監督や明智光秀役を演じた西島秀俊(52)、加瀬亮(48)、中村獅童(50)、浅野忠信(49)、大森南朋(51)が現地で抱負を語った。
「本能寺の変」を戦国武将や忍、農民といった多彩な人物の野望と裏切り、運命とともに独自の解釈で描いた同作。豊臣秀吉役で出演もした北野監督は「呼ばれてここへ来ただけでも光栄」と高ぶる気持ちを口にした。
作品には、当時、一般庶民の中にもはびこっていたという男色を盛り込んでおり「当たり前にそういう世界があって、そういう慣習を描こうとした。表面上、あまり描かないようなことを意識して映画化した」と意図を説明した。
「ドライブ・マイ・カー」などで世界の映画祭を渡り歩いた西島は「カンヌ映画祭は初めて。時代劇をこれだけのスケールで描いた日本映画は久しぶりだと思う。日本の戦国時代の世界をたくさんの人に感じてもらいたい。どんな反応になるか楽しみ」と期待。織田信長役の加瀬も「何度も描かれてきた題材を、北野監督がどれだけ違うものにつくったのかが面白いと思います」とアピールした。
コンペティション部門に出品の是枝裕和監督作「怪物」にも出演した中村獅童は「首」では出世を目指す農民役。「カンヌの雰囲気はまさしく映画の祭典だなと。上映会も楽しみ」と圧倒された様子で話した。