役所広司 映画のために「これからも努力重ねる」カンヌ男優賞 ベンダース監督も絶賛
第76回カンヌ国際映画祭で、「パーフェクトデイズ」(ビム・ベンダース監督)に主演して男優賞を受賞した役所広司(67)が29日、「日本の、世界の、映画が少しでも、もっと素晴らしいものになるようにこれからも努力を重ねていきたい」とするコメントを発表した。
静かに生きる主人公の平山を演じることが「大きな挑戦」だったと振り返り、「ベンダースという偉大な監督には、フィクションの存在であるこの男にとても大きなリスペクトがありました。それが私を導き、平山という男をこの世界に生み出した気がします」と感謝した。
ベンダース監督も「役所広司は、監督をする者にとって最高の俳優である」と絶賛する談話を発表。「一緒に映画を作れたことをとても幸せに思う」とした。
共演した田中泯(78)は「役所さんの受賞が自分のことのようにうれしい」と祝福。アオイヤマダ(22)は「決して一人では生きられないことを、この作品に携わらせていただき意識することができました」などと振り返った。
役所がカンヌ国際映画祭男優賞を受賞したベンダース監督の「パーフェクトデイズ」は、東京の公共トイレの課題解決をテーマにしたアートプロジェクト「THE TOKYO TOILET」の一環として製作された。
多様性のある社会の実現を目的に「暗い、汚い、臭い」といった課題がある公共トイレを誰もが気持ち良く使えるように生まれ変わらせるプロジェクト。安藤忠雄さんや隈研吾さんら16人の建築家、クリエーターが渋谷区内の17カ所の公共トイレをデザインした。
昨年10月の撮影では、快適な空間へと変わったトイレを使用。今年3月までに全て設置が完了。日本財団、渋谷区、渋谷区観光協会が専門家のアドバイスを受けながら維持管理に取り組んでいる。
日本財団は「このような素晴らしい映画の舞台にしていただき、光栄に思います」とコメントした。