藤井聡太名人 最年少名人&七冠達成も「自分の技術はまだ未熟」揮ごうは「温故知新」
1日の第81期名人戦七番勝負第5局に勝利し、最年少名人および七冠を達成した藤井聡太名人(20=竜王、王位、叡王、棋王、王将、棋聖との七冠)が2日、長野県上高井郡高山村「緑霞山宿 藤井荘」で一夜明け会見を行った。
名人は前夜に渡辺明九段(39)を破り、4勝1敗で名人を奪取。谷川浩司十七世名人(61)の名人最年少記録「21歳2カ月」を40年ぶりに更新。また羽生善治九段(52)に並ぶ史上2人目の七冠を達成。羽生九段の年少記録「25歳4カ月」を4年6カ月更新し、最年少七冠を達成した。
激闘一夜明け、前夜から表情がすっきりしたようすの藤井名人は「先ほど、名人という形で色紙を揮ごうしたんですけど、これまでとは違った緊張感もありましたし、同時に改めて獲得の実感があった」と充実感をにじませ、「名人の獲得は自分としてすごく大きな達成だった。一方で、これからも対局が続きますし、自分の技術はまだ未熟なところが多いと思っている。自分としてはそこを変わらず見据えて、取り組んでいきたいという気持ちが強い」と絶対的な強さを手に入れるため、さらなる進化を誓った。
色紙には「温故知新」と揮ごうしたという。「名人という歴史ある立場に立つことができて、昔の棋士の将棋を並べる機会は今まで少なかったんですが、少しずつやっていきたい。『温故知新』は谷川先生が揮ごうされていた言葉。そこを意識したというところもあります」と明かした。
「藤井荘」と自分の名を冠した対局場での名人獲得には「偶然ではあるんですけれども、自分としても縁を感じるところはありましたし、この場所で名人を獲得できたことは、自分としてもすごく思い出になったと思っています」と目を細めた。