【全文】キダ・タロー 初代局長・上岡龍太郎を悼む 「オカルト憎悪」は家族のがんが原因だったと
“浪花のモーツァルト”の異名をとる作曲家のキダ・タロー氏(92)が2日、所属事務所を通じ、マスコミ各社に文書を送付。元タレントの上岡龍太郎さんを追悼した。上岡さんはキダが“最高顧問”を務めるABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」の初代局長。「『上岡龍太郎』という鎧」の下をわずかに2回だけ見ることがあった、と思い出をつづった。【以下、全文(原文ママ)】
彼は呪術的(オカルト)な事に異様なぐらい憎悪を示しました。昔、家族の方が癌に侵された肘、呪術師達に翻弄されて苦しんだのが原因だと聞いたことがあります。
有名な『探偵ナイトスクープ』途中退場もオカルトの扱いが原因でした。私も現場に居合わせたんですが、彼のあまりの思いに何も出来ませんでした。
上岡さんは常に『上岡龍太郎』という頑固で冷静な鎧を纏い、内心を見せない男でした。が、ほんの少し偶にポロリと鎧の下を見せることがあり、私は2回見ました。
東京進出のほんの初期の頃、フジテレビでご一緒しました。(丸山珠代さんがまだアナウンサーの頃)、私が「上岡さん東京嫌いやったんちゃうのん?」と聞くと ニタ~っと実に人の善い笑顔を見せました。鎧の下です。
石原裕次郎さんの曲ばかり歌うコンサートがサンケイホールでありました。彼は石原裕次郎さんが好きなくせに小節が全くまわりません。心配になった私はリハーサルに押しかけて指導しました。
「上岡さんせめてここだけは小節まわしてください。」と彼に言うと「はい!!」と素直にきいてくれました。但し小節はまわりませんでした。
ご冥福をお祈りいたします。
キダ・タロー