松本零士さん“銀河葬”で旅立ち ちばてつや氏「いってらっしゃい」999号で宇宙へ
「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」などの作品で知られ、2月13日に急性心不全のため亡くなった漫画家・松本零士さん(享年85)のお別れの会が3日、都内で行われ、約3000人が弔問に訪れた。祭壇は花で地球を形作り、宇宙へと続くかのように配置された線路の先に遺影が飾られた。会場には足跡をたどるパネルなどゆかりの品が星々のように展示され、生演奏に見送られて銀河へと旅立った。
地球を再現した祭壇の中央で、愛猫のミーくんを抱いた遺影の松本さんがほほ笑んでいる。鉄郎とメーテルに見守られ、銀河鉄道999号で地球から宇宙へと旅立つ様子を表現した“銀河葬”となった。
65年に渡って親交を深めてきた親友の漫画家・ちばてつや氏が実行委員長を務め、出会いからの日々を回想。
激烈なスケジュールで連載を続けながら遊び回ったエピソードを振り返りつつ「80歳を過ぎてからもあなたは『そのうち宇宙船に乗って、無重力のなかで座布団みたいなビフテキを食ってみたい』と元気いっぱいでした。私もね、もう少しだけ頑張ったら、松本さんのいる銀河系を追いかけて行きますから。そしたら今度こそ、座布団のようなビフテキを一緒に食べようね。じゃあ、いってらっしゃい」と送り出した。
会場では「銀河鉄道999」の主題歌などがサックスの四重奏とピアノで生演奏され、華やかな雰囲気の中で葬送。トレードマークの帽子や眼鏡、ペン軸といった愛用の品々や999号の車窓、機械室を再現したセットが展示され、弔問者は思い思いに別れを惜しんだ。
YOSHIKIや仏音楽デュオ「ダフト・パンク」から弔電が届くなど、ジャンルを超えて国内外に影響を与えた松本さん。鉄郎の声を担当した野沢雅子(86)は「きっと先生は999号で車掌さんに会って、旅先でも好きな漫画を描いては楽しく過ごしていらっしゃるのではないかと思います。宇宙から、こちらの世界を見守っていてくださいね」と呼びかけていた。