テレ東系アニメ「僕とロボコ」放送枠5分に詰めた旬 セリフも制作も超速の話題作!30分じゃ時事性生かせない

 「週刊少年ジャンプ」(集英社)の人気ギャグ漫画を原作にしたテレビ東京系アニメ「僕とロボコ」(日曜、深夜0・30)が攻めている。5分の放送枠に超ハイスピードでネタを詰め込んだ構成が話題だが、制作も異例の超速尽くしという。舞台裏を楽天グループの砂子(まなご)達也プロデューサーに聞いた。

 パロディーを盛り盛りにして大暴れするギャグ漫画「ロボコ」が、アニメでも暴れている。連載開始から約2年半でアニメ化されると、異例の5分枠に主演声優はチョコレートプラネットの松尾駿と、意外性の連打が話題を呼んでいる。

 CMを除いて実質3分に1話を詰め込むだけに、セリフはマシンガンの様相。超速アニメぶりが話題だが、制作の裏側も超速という。砂子氏によると、楽天グループが幹事を務める最初のアニメシリーズとして企画がスタートしたのは2022年春。同年12月には放送開始しているだけに、その間、1年もかかっていない計算だ。

 大事にしたのは「旬」。原作では数週間前の他作品をパロディーにすることもある時事性を生かすべく「30分枠で3、4年後に届けるのではなく、早く届けるために5分という選択肢。僕らの経験上、放送まで史上最速なんじゃないかと思っています。テレ東さんのアグレッシブさとともに、アニメ業界に新規参入している僕らだからこそ常識にとらわれない形で制作を進められたのではないかと思います」と説明する。仮に30分枠のアニメなら、通常は24~25年くらいの放送開始になっていたという。

 短時間にネタを詰め込むため声優陣の負担も大きく「通常の2倍くらいの早さなんじゃないかと思います。テンポが早いので、ワンシーン前と後でまったく感情が違うこともある。普通に読んでは入らないセリフ量なので『0コンマ何秒、短くして』といったこともあり、かなり難しいことをやってもらっています」と明かす。

 声優が本業ではない松尾はオーディションで選ばれた。チャーミングだが力強く、硬派なのにレディーな多面性を持つロボコの声は製作陣の中でも判断が分かれる要素だった。原作の宮崎周平氏も交えた打ち合わせの中で「芸人さんはどうか?」という意見が出たため、松尾に声をかけてオーディションに参加してもらったところ「割とすぐに『これだ』と決まった」という。

 18日が最終回だが、砂子氏は「みんなの期待を裏切り続けるのがロボコ」とニヤリ。今後も攻めの展開がありそうだ。

 ◆2020年7月に連載開始した「僕とロボコ」は、22年12月からアニメ放送がスタート。超高性能メイド型ロボットOM(オーダーメイド)が一般的に普及された世界を舞台に「ジャンプ」大好きな小学生・平凡人と破天荒なOM・ロボコの日々がギャグタッチで描かれる。「ドラゴンボール」や「呪術廻戦」、「HUNTER×HUNTER」といったジャンプの人気作をパロディーにする作風が特徴となっている。

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