カンヌ脚本賞「怪物」坂元裕二氏「こんなに脚本がうまい映画監督はいない」是枝裕和監督の脚本力に感服

 第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した、映画「怪物」の是枝裕和監督(60)と脚本の坂元裕二氏(56)が10日、東京・早稲田大学の人気授業「マスターズ・オブ・シネマ」の一環で、トークショーを行った。

 坂元氏にとって、憧れていた是枝監督とのタッグ。監督は脚本に注文をつけず、褒めるスタンスである一方で、「監督のアイデアで書かれたせりふがあって、オセロをひっくり返したように素晴らしくなった。手のひらの上に乗せられているというか、このボタンを押すとおまえの書いたものは全部変わるんだぞみたいな気分を味わいました」と是枝マジックを実感したという。

 続けて「是枝さんはドキュメンタリータッチや即興と言われるけど、こんなに脚本がうまい映画監督はいない。ハリウッドの教科書に書いているようなものが、きちんと網羅されている」と大絶賛。是枝監督は照れ笑いしつつ、「映画で見て自然と思われるものほど、裏でいろいろやらないと撮れない」と苦労を明かした。

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