役所広司カンヌ男優賞で凱旋会見「配給も映画会社もない中で制作開始」と明かす 師匠・仲代達矢にも報告

 俳優の役所広司(67)が13日、東京・日本記者クラブで、5月にカンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した主演映画「パーフェクトデイズ」(ビム・ベンダース監督、日本公開未定)の凱旋会見を行った。共演の田中泯(78)も出席した。

 渋谷区17カ所の公共トイレ改修プロジェクトから生まれた本作。役所は主人公の清掃員役を演じ、「誰も知らない」(2004年)で受賞した柳楽優弥(33)以来、19年ぶり2人目の男優賞を獲得した。本作を「これまでの日本映画とは全く違う形の映画で、配給も映画会社もない中で制作が始まった」と明かし、「やったことない映画で、やったことのない役を与えてもらって、ベンダース監督。本当に夢のような仕事でした」と感無量の様子だった。

 受賞から約2週間たち、出身の「無名塾」主宰の“師匠”仲代達矢(90)には、毎年恒例のスイカを手に訪ね、受賞の報告を行ったという。「拍手してくれました、玄関で。『これ、持ってけ』とシャンパンをもらいました。仲代さんも何度もカンヌに参加されてますけど、『俺はもらえなかった』とおっしゃってました。本当に喜んでいただきました」とほほえましいやりとりも明かした。

 カンヌでは1997年、主演した今村昌平監督作品「うなぎ」がパルムドールを獲得し、監督の代理でトロフィーを受け取った。「あのときはカンヌというものがどれだけ映画人にとって憧れであるか、パルムドールがどれだけ大きなものか知らなかった」と苦笑い。26年ぶりに手にしたトロフィーに、「賞をもらうたびに賞に恥じないような俳優になりたいと思いますね、今回もさらに思いました」と背筋を伸ばした。

 今後については、「67歳になりましたし、これからたくさんの作品に参加できることはない。一つ一つの作品に命をかけて…というのは大げさですけど、これまでやってきた人たち、影響を与えてくれた人たちを大切にして一つ一つ作っていきたい。自分の大切な監督たちに恩返ししていきたい」と決意を新たにした。

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