紫吹淳 “父さん”の死に「体の一部をもぎ取られた様な思いです」 宝塚の振付家・羽山紀代美氏死去に涙
元宝塚歌劇月組トップスターで女優の紫吹淳が13日、自身のインスタグラムで、“父さん”と呼び慕っていた同劇団の振付家・羽山紀代美(はやま・きよみ)さんの訃報に「身体の一部をもぎ取られた様な思いです」と胸の内を明かした。
羽山さんは「エリザベート-愛と死の輪舞-」などの作品で振り付けを担当した振付家10日に78歳で死去し、葬儀は近親者で営まれたことが13日、劇団から発表された。羽山さんが亡くなった日は都内でライブを行っており、「宝塚時代に先生に振付して頂いた場面の曲をLiveのオープニングで歌っておりました」と振り返った。また紫吹の退団時に特集された雑誌の羽山さんとのツーショット写真もアップ。「マコちゃん先生の愛称で宝塚の生徒に慕われ とても強い方でした その姿は本当に逞しく時にクールでそんな先生を私はいつしか父さんと呼ぶようになりました」と明かした。
中学卒業後に宝塚音楽学校に入学した紫吹は「宝塚時代まだ下級生16歳だった私を愛情たっぷりに育てて頂きました」と感謝。「人としてのあり方 宝塚の男役としての美学 ある時は弱り切っている私にティッシュの箱をポンと私の目の前にクールに置いて下さるそんな先生でした 私が今も尚こうして紫吹淳として生きていられるのは羽山先生のお陰です 先生に教えて頂きました事は頭から足の先まで私の身体の中で息づいております」と追悼した。
さらに「恩師とのお別れは こんなにも辛く苦しいやり切れない思いなんですね 身体の一部をもぎ取られた様な思いです そして涙って こんなに止まらないものなの…」と張り裂けそうな思いを吐露。「まだまだ時間はかかりそうですが いつか…羽山紀代美先生に捧げるダンスが踊れたら…父さん これからも私を 父さんのその素晴らしい色と香りで導いて下さいね」と天国の羽山さんに手向けの言葉をつづった。
羽山さんは1961年に入団し、同期には若みゆき(鳩山由紀夫夫人)がいる。ダンスの得意な娘役として活躍し、73年に退団。歌劇団の理事も務めた。最後に手がけたのは今年の正月公演となった花組「うたかたの恋/ENCHANTEMENT-華麗なる香水-」。2006年には菊田一夫演劇賞特別賞を受賞。14年の劇団100周年を記念して創設された「宝塚歌劇の殿堂」入りも果たした。