宝塚 月組・礼華はるバウ初主演 丁寧な芝居で江戸の匂いを引き出す
宝塚歌劇月組スター礼華はる(れいか・はる)初主演の宝塚バウホール公演「月の燈影」が14日、初日の幕を開けた。
2002年に花組の彩吹真央、蘭寿とむ主演で上演され秀作の再演。欲望渦巻く大川の東岸を舞台に、任侠の世界に足を踏み入れた幸蔵と、幼なじみの町火消しの次郎吉の友情を軸に、そこで生きる人々を描いている。今回、初演の彩吹が演技指導を務めた。
101期生の礼華は今年で9年目。現在の宝塚では2番目に高い178センチの身長で、舞台映えは抜群。ノーブルな面持ちで、新人公演も2度主演した月組期待のスターだ。今回初のバウ主演となったが、訳ありの重い過去を背負った幸蔵を丁寧に演じた。
幸蔵の幼なじみの次郎吉を演じたのは、102期の彩海せら(あやみ・せら)。和物に強い雪組出身の実力派で、硬軟自在の芝居と歌声で魅了した。明るく一本気で、訳ありの幸蔵との対比もよく出ていた。
芸者の喜の字は、礼華と同期の天紫珠李(あまし・じゅり)。これまで数多くのヒロイン経験があり、今回も落ち着いた演技を見せた。また入団の3年目、107期の一輝翔琉(いちき・かける)が物語の鍵を握る髪結いの新助役に抜てき。どこにいても目を引き、体当たりの演技を披露していた。
初日を前に行われたゲネプロで礼華は「千秋楽まで、健康第一で走り抜けたいと思います」とあいさつしていた。
25日まで。