相羽あいな プロレス経由→声優&ボーカル スマホアプリゲーム「バンドリ!-」で存在感
相羽あいなは声優としてスマートフォン向けアプリゲーム「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」に出演し、同ゲーム内のバンド「Roselia」の湊友希那役などで確かな存在感を放つ。子供の頃は歌手や声優を夢見ていた相羽は強そうな瞳を買われてプロレスの世界に入ったとき「これで死んだらそれも運命」と死も覚悟した。その数年後は声に魅了されたプロデューサーたちが声優・ボーカルへの転身を促した。このときも「二度と戻らない」と不退転の決意だった。相羽の二度の覚悟に迫った。
相羽は高校を卒業後、しばらく居酒屋や焼き肉店で働いていた。歌うことが大好きで友人とカラオケを楽しむ日々だった。
「友達はうまいと言ってくれましたけど周りに芸能活動やってる人はいないし、中学生のときには歌手なんて現実的じゃないってあきらめてました」
しかし完全に断ち切ることはできなかった。母が何気なく「声の仕事っていいよね」とつぶやき、ずっと相羽の心にこだまする。先輩とカラオケに行った際、とある声優をまねした。このときの先輩の言葉が以後の相羽の行動の指針となる。
「声優とか好きなんじゃないの。そういう声してるし。やらずに後悔するよりやって後悔したほうがいいんじゃない」
歌手も声優も絶対になれないと思っていた相羽は、意を決して大手声優事務所の研究生となった。芽は出なかった。それでも諦めなかった。
「とにかく止まっちゃいけない。専門学校の友達が劇団を作るっていうので私も加わりました」
ここで人生が変わった。相羽の舞台を見ていた別の劇団のプロデューサーが、普段からプロレスの話題が多い相羽に声をかけた。「プロレス好きやろ?やってみいひん?顔つきも強そうやし」。その場で断った。
「絶対無理ですって言いました。部活は音楽系統しかやったことないし、運動神経も悪いし。でもプロデューサーさんとスターダムさんの試合を見に行ってめっちゃかっこ良かったんです!できるかどうか分からないけどやろうと決めました。死んだら死んだで、それも運命だと思って。やらずに後悔するよりやって後悔しようと」
レスラーとして懸命に頑張っていたあるとき、次世代ガールズバンドプロジェクト「BanG Dream!(略称バンドリ!)」などを手がけていたブシロードの木谷高明社長と知遇を得た。「ボーカルを探している」という木谷社長の前でエヴェンゲリオンの『残酷な天使のテーゼ』、マクロスの『愛・おぼえていますか』を歌った。バンドリ!の音楽を手がける上松範康プロデューサーの前でも歌った。上松氏は「粗削りだけど他の人が持っていないものを持っている」。子供の頃から夢見ていた歌手への扉が開く音が聞こえた。相羽は16年に1stシングル「夢のヒカリ君のミライ」でデビュー。翌年にはライブ活動もスタートした。
声優が活動する領域は以前に比べて格段に広くなっている。
「エンターテイメント力というのが声優に求められている。全てをできるわけではないので、できないことをどんなふうに取り組んでいくのかがとても大切だと思っています」
相羽が活躍する世界は着実に広がっている。
◆相羽あいな(あいば・あいな)10月17日、北海道出身。16年から声優として活動し、歌手、舞台女優などマルチに活躍。元女子プロレスラーという異色の経歴も持つ。出演作に「BanG Dream!」(湊友希那役)など多数。血液型O。