高騰するポケモンカードを巡る事件が続発 小川泰平氏が解説「海外での転売は足が付き難い」

 高額で取り引きされることで話題になっている人気ゲーム「ポケットモンスター」のトレーディングカードを巡って事件が相次いでいる。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は23日、デイリースポーツの取材に対し、高額な転売などを背景として、「ポケモンカード」に絡んだ犯罪について解説した。

 警視庁は今年4月12日に東京・秋葉原のトレカ販売店からポケモンカード約1500枚(計約115万円相当)を盗んだ窃盗と建造物侵入容疑で沖縄県浦添市の職業不詳の男(35)を逮捕したと今月13日に発表した。この容疑者はSNSの「闇バイト」の求人に応募し、「ポケモンカードを盗むように指示されていた」と供述しているという。

 小川氏は「ポケモンカードは確かに高額だが、それを盗んで100万円以上の報酬を得られることなどありえない。この容疑者は沖縄から数万円の自己負担で上京した旅費については、借金して来たのかもしれないが、そんなことをしても何にもならない。捕まるのは実行犯だけだという現状があり、闇バイトに誘われても絶対にやってはダメだということは、こういう事件を見ても明らかです」と説明した。

 一方、茨城県警は19日、他人名義のクレジットカード情報を不正利用し、通販サイト運営会社から約25万円の「ポケットモンスター」のカード1枚をだまし取ったとして、詐欺と私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで熊本市の会社員(25=詐欺罪などで起訴)を再逮捕した。転売目的だったとみて調べを進めている。

 再逮捕容疑は昨年12月31日、東京都中野区の男性のクレジットカード情報を使い、通販サイト運営会社から販売価格25万8000円のポケモンカード1枚をだまし取った疑い。県警によると、ポケモンカードは被告の自宅へ送られた後に売却していたとみられる。クレジットカードの持ち主とは面識がないとみられ、カード情報の入手経路についても捜査する。

 ポケモンカードは近年、愛好家らの間で高額で取引されており、希少なカードは専門サイトで1枚1000万円以上の値が付くこともある。億単位の値段が付いたケースも報じられている。もはや、コレクションとしてだけでなく、「投資」の対象にもなっている。

 フリーマーケットアプリ大手のメルカリは今月13日、ポケモンカードについて、100万円を超えるような高額の転売価格や偽造品の出品などに対する注意喚起をアプリ上で始めた。16日に発売された新作「ポケモンカード151」が高額出品される可能性を踏まえてのことだ。

 こうした、ポケモンカードが「もうけにつながるネタ」として転売目的の買い占めや、さらには今回のように犯罪に結びつく状況も出てきている。

 その背景として、小川氏は「ポケモンカードには、腕時計のように、1つ1つを特定するシリアルナンバー等がなく、転売が容易である。また海外での取引も活発に行われていることから、転売でも足が付き難いという点が挙げられる」と指摘した。

 さらに、同氏は「ポケモンカードの中には非常に稀少価値のあるカードもあり、1枚100万円以上の価値のあるものもあり、投資として購入する者までいる。過去には数億円で取引きされた例もある。しかし、専門店とはいえ、どこの店舗にも100万円以上のカードの在庫があるわけではなく、あったとしても店頭に並んでいるわけではなく管理は非常に厳重になっている」と付け加えた。

 遊戯やコレクションという域を超え、世界規模で金額面での高騰に歯止めがきかなくなっているポケモンカード。今後もこうした事件の防止策を探っていく必要がありそうだ。

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