中村鴈治郎 長男・壱太郎の市川猿之助代役に言及「六月大歌舞伎」での熱演が評価
歌舞伎俳優の中村鴈治郎(64)が23日、東京・帝国ホテルで、「公文協 松竹大歌舞伎 西コース」(8月31日~9月24日)の製作発表会見を行った。
鴈治郎の長男・中村壱太郎(32)は、東京・歌舞伎座で上演中の「六月大歌舞伎」で、5月18日に自宅で救急搬送された市川猿之助(47)の代役を熱演し高評価を得ている。壱太郎の代役について問われた鴈治郎は「まだ見れてないんで、明日か明後日だと思います。まだ本人にも会ってないんでね、何とも言えないです」と苦笑い。「私(との共演)の時にも、嫌がらずやってくれたらうれしいです」と冗談交じりに話した。
「公文協 松竹大歌舞伎」は、新型コロナウイルスの影響で2020~22年は中止となっており、今回が4年ぶりの巡業公演。久々の地方巡業に、鴈治郎は「その土地土地で、お客さまの反応が違うし、大きなホールがたくさんありますが、ともするとお客さまとの距離が遠くなる。各地、立派な劇場が多いんですけど、歌舞伎鑑賞の『小屋』っぽい感じが出ないので、お客さまとの距離を努めて近くできれば」と意気込んだ。
また千秋楽の沖縄・那覇公演は、鴈治郎にとって41年ぶりの沖縄での歌舞伎上演となる。沖縄公演について「陸路で通じていない、道具も船で運ぶという、海外公演に近いものがある。前回の公演では、いつもと違うなという雰囲気はあった」としつつ、「あれから41年たってますんで、普通に受け入れてもらえるのではと思っています。沖縄独特の伝統芸能がある中、こういうものもあるんだっていうのを、いい意味で分かっていただきたいという思いが強いです」と話した。