厚労省「ワクチンを接種した後に亡くなった」は必ずしも「ワクチンが原因で亡くなった」ではないと投稿
厚生労働省が29日、公式ツイッターに新型コロナワクチンへの疑問に対する回答を新規投稿した。
ツイートは「A.『ワクチンを接種した後に亡くなった』ということは、必ずしも『ワクチンが原因で亡くなった』ということではありません。接種後の死亡事例は報告されていますが、現時点で、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとされています。」というもの。
ツイッターでは文字数に限りがあるため、「続きはこちら。」と厚労省の公式HP(新型コロナワクチンQ&A)に誘導した。【以下、全文】
Q 新型コロナワクチンの接種が原因で多くの方が亡くなっているというのは本当ですか。
A 「ワクチンを接種した後に亡くなった」ということは、必ずしも「ワクチンが原因で亡くなった」ということではありません。人はワクチンの接種とは関係なく突然命を落とすことがあるため、ワクチン接種後の死亡事例が出た時は、ワクチン接種との因果関係を調査することが大切です。
まず、新型コロナワクチンを含むあらゆるワクチンは、大規模な臨床試験で安全性が確認された後に医薬品として承認され、接種が開始されています。日本で使用されているファイザー社及びモデルナ社のmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンは、いずれも臨床試験において、ワクチン接種者とプラセボ接種者で、重い病気を発症した人や亡くなった人の割合に差がないことが確認されています(※)。
さらに、接種が開始された後においても、接種後に生じた様々な症状の情報を収集・分析して、例えば、個別の死亡事例をみたときに「新型コロナワクチンが原因ではないか」、あるいは、症例数などをみたときに「新型コロナワクチンの接種後に特定の病気による死亡が特に増えていないか」など、引き続き、国内外で慎重なモニタリングが行われ、ワクチンの安全性が継続的に評価・確認されています。
日本においても、副反応疑い報告制度により、ワクチン接種後の死亡事例が報告されていますが、現時点で、ワクチン接種との因果関係が否定できないとされた事例が1例あり、その他の事例についてはワクチン接種との因果関係があると判断されていません。
また、日本医療研究開発機構(AMED)の研究班による日本の一都市における新型コロナワクチン(mRNA型)接種後の一定期間とそれ以外の期間の死亡リスクを比較解析した結果では、新型コロナワクチン(mRNA型)接種後の死亡リスクについて、有意な上昇は認められなかったとされています(※)。
米国においても、ワクチン接種後の病気の発生率と、接種を行わなかった場合の予想される病気の自然発生率を比較するなどの評価が行われています。これらの調査の結果、米国CDCは2021年6月時点で「死亡事例とmRNAワクチン接種には明らかな因果関係がない」と評価しているほか(※)、米国におけるVSDを利用した新型コロナワクチン(mRNA型)接種後の死亡リスクに係る観察研究の結果でも、新型コロナワクチン(mRNA型)接種後の死亡リスクについて、有意な上昇は認められなかったとされています(※)。
これまでの死亡に係る副反応疑い報告の状況、国内外のmRNAワクチン接種後のリスク分析のエビデンスも踏まえると、現時点で、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとされています。
なお、新型コロナウイルス感染症の流行時における超過死亡(ある時点において全ての死因を含む死亡者数が例年より多かったことを示します。)についても、日本では感染拡大の時期、とりわけ2021年4~6月の時期に、一部の都道府県で超過死亡が確認されましたが、これは日本でワクチン接種が進む時期よりも前であったことが厚生労働省の研究班より報告されています(※)。ワクチン接種が原因で超過死亡が発生したという科学的根拠は、現時点において確認されていません。
令和5年(2023年)1月25日に開催された新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードに報告された分析によると、令和4年(2022年)1月から10月までの超過死亡は、過去(2017~2021年)の同期間と比べて最も大きい規模となっています。これまで超過死亡のピークはそれぞれの新型コロナウイルス感染症の流行のピーク時に観察されていることから、現時点においては、その要因の一つとして新型コロナウイルスの感染拡大の影響が指摘されています。
(なお※は公式HPにはデータなどの参考資料掲出)