藤井聡太王位4連覇へ白星発進「序盤で失敗」苦戦自覚も逆転勝利
将棋の第64期王位戦七番勝負第1局2日目が8日、愛知県「豊田市能楽堂」で指され、藤井聡太王位(20=竜王、名人、叡王、棋王、王将、棋聖との七冠)が佐々木大地七段(28)に97手で勝利した。王位4連覇へ白星発進を決めた。
2勝1敗で王手をかけている棋聖戦五番勝負から続く、佐々木七段とのWタイトル戦“十二番勝負”が第2ラウンドに突入した。いずれも敗退すると年内八冠が消滅する大一番。藤井王位は幸先良く逆転で初戦を制したが、「序盤で失敗してしまった」と悔しさを隠せなかった。
振り駒で先手番をひき横歩取りに。序盤では佐々木七段が「変化球として有力と思っていた」という工夫を見せ、藤井王位は「早い段階から経験のない形。序盤の構想ミスを適切にとがめられてしまって、なかなか苦しい時間が長かった。佐々木七段の力を感じたところが多かったと思います」と苦戦を自覚していたと明かした。
2日目も苦しい時間は続く。佐々木七段の玉が堅い銀冠にこもり、「玉型の差があるので大変だと思っていた」。しかし中盤、駒のさばき合いで佐々木七段に誤算があったか、藤井王位が優勢に。その後は的確に対応して着実にリードを拡大して投了に追い込んだ。
第2局は13、14日、兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で指される。「修正していい内容にできるように頑張りたいと思います」と淡々と語った。