「サンモニ」目加田説子氏、福島原発処理水を「汚染水」と表現 IAEAの行動「政府手助けに見える」
中央大学教授の目加田説子氏が9日、TBS系「サンデーモーニング」に出演し、福島第1原発の処理水について「汚染水」と表現し、海洋放出を「やめるべき」と語った。
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が7日、都内で会見し、東京電力福島第1原発にたまる処理水の海洋放出計画について「国際的な安全基準に合致する」との包括報告書を公表した。処理水に含まれる放射性物質トリチウムについて「国境を越えた影響は全く心配がない」と述べ、報告書は「客観的で、評価のプロセス、結論に自信を持っている」と語った。
グロッシ氏が「処理水の最後の一滴が安全に放出し終わるまで福島にとどまる」と発言したことについて、司会の関口宏は「よくそんなこと言うなって、ドキッとしたんですが」と驚きを表現。目加田氏は「福島の汚染水の件も日本政府が地域社会に説明責任を尽くして地元の理解を得られるということがまず大事」とコメント。「第一義的な責任のないIAEAの事務局長が来て、あたかもお墨付きを与えるというようなことをするべきではない」とIAEAの動きにも疑問符を付けた。
さらに「日本政府に頼まれて、IAEAが手助けに来ているという風に見えますし、客観的な機関として政治的な中立性が脅かされるような事態になりかねない」と懸念を示した。「汚染水の放出が30年、40年続く可能性がある」とし、「科学的な安全性の議論と心理的に不安を抱くっていうのは別の次元の問題」と指摘。「海洋放出はやめるべき」とした。