将棋の藤井聡太王位（２０＝竜王、名人、叡王、棋王、王将、棋聖との七冠）が佐々木大地七段（２８）の挑戦を受ける第６４期王位戦七番勝負第２局が１３、１４日、神戸市北区の有馬温泉「中の坊瑞苑」で指される。１２日、２人は同地で検分を行い、神戸新聞創刊１２５周年、デイリースポーツ創刊７５周年記念事業の前夜祭に出席した。藤井王位は神戸市名産のチェック柄「神戸タータン」の勝負ネクタイで神戸入りし、開幕２連勝に向けて意気込んだ。

　王位４連覇へ、年内八冠へ、神戸で２連勝を決めてアクセル全開や！神戸港やポートタワーなど、神戸の町並みをイメージした５色からなる「神戸タータン」柄のネクタイを選び、対局関係者を湧かせた藤井王位は、「ファンの方からいただいたもので、神戸に入らした際に是非付けてくださいと言われたので、この機会に」と笑顔を見せた。

　棋聖戦五番勝負から続く佐々木七段とのＷタイトル戦“十二番勝負”。防衛に失敗すると年内八冠が消滅する大一番が続く。第１局は序盤から苦戦したが、逆転で白星発進。「反省を踏まえて、２日間集中して戦っていきたい」と気を引き締める。同対局地は３年連続負けなしと追い風。「有馬温泉で疲れを癒やしながら対局できている」と温泉がお気に入りのようすで、「自分が初めて出た２日制のタイトル戦で、なじみのあるタイトル。しっかり戦っていきたいです」と語った。

　佐々木七段は初の２日制対局となった前局を振り返り、「将棋の奥深さ、難しさを痛感した一局になりました。先手の利を生かして、序盤から準備した展開にできればと思いますし、積極的に動いていきたい。厳しいスタートではあるけど、タイに戻して盛り上げていきたいです」と反撃を誓う。神戸への来訪は約２０年ぶりで、「甲子園球場や水族館に行きました」と明かした。