スタジオジブリの宮﨑駿監督（８２）の１０年ぶりの長編映画「君たちはどう生きるか」が１４日、ベールに包まれたまま公開された。昨年末に鳥のような絵のポスターだけが発表されて以降、事前情報や宣伝はほぼなかった。主題歌を米津玄師（３２）が担当していることはこの日、米津、ジブリの公式ツイッターなどで明らかにされた。

　異例の公開はスタジオジブリの「まっさらなままで作品を見てほしい」という方針の下で実現。あらすじや声優も明かされないまま初日を迎え、劇場パンフレットも後日発売という徹底ぶりだ。鑑賞者からは、超豪華声優陣やストーリーに驚きの声が上がっているが、“ネタバレ”厳禁ムードが漂い、ネット上の情報も控えめ。関係者によると今後のプロモーションイベントも現時点では予定されていないという。

　鈴木敏夫プロデューサーは、同様なプロモーションをした映画「ＴＨＥ　ＦＩＲＳＴ　ＳＬＡＭ　ＤＵＮＫ」を引き合いに、「そういうことができないかなと思っています」と言及していた。

　主題歌「地球儀」（２６日発売）は米津が作詞作曲歌唱。幼少期から宮﨑監督を敬愛している米津にとって、念願のコラボに。米津は４年ほど前にオファーがあり、「恐る恐る」作曲に取りかかったと明かし、「わたしが今まで宮﨑さんから受けとったものをお返しする為の曲」であるとし、「これからもずっと作り続けてください」とエール。宮﨑監督も公式ツイッターに直筆メッセージを掲載。「米津玄師さんすばらしい音楽ありがとうございました」と記した。

　タイトルは宮﨑監督が感銘を受けた吉野源三郎の同名小説から取ったが、オリジナル作品。宮﨑監督は２０１３年公開の「風立ちぬ」で長編アニメ製作からの引退を宣言したが、１７年に撤回。５年間の製作を経て公開にこぎ着けた。