ＮＨＫメディア総局長会見が２６日、東京・渋谷の同局で行われた。父親に対する自殺ほう助の疑いで再逮捕された歌舞伎俳優・市川猿之助容疑者の出演番組に関して、ＮＨＫオンデマンドでの配信を停止していたが、作品性が尊重されるべきとの考えから、順次配信を再開していくことを明らかにした。対象は「鎌倉殿の１３人」「風林火山」など。

　８月以降をメドとしており、詳しい日程は準備が整い次第ホームページで公開していくという。

　オンデマンドでは、現在、「鎌倉殿の１３人」「風林火山」など計８タイトル１５８本を停止している。

　山名啓雄メディア総局長は、６月２８日に配信停止後、利用者から１０００件ほどの意見が局に届いたといい、そのほとんどが「作品に罪はない」「有料であり、見るかどうかは利用者に委ねるべき」などの批判の意見だったという。

　山名総局長は「自ら選んで番組を見るという権利意識が高まっている。今回、慎重検討した結果、番組の作品性は尊重されるべきとの考えに至った。作品としての価値やコンテンツ文化を保護していくことも公共メディアに求められる」と説明した。

　今後は、一部の出演者の逮捕があった場合でも、原則として配信は停止しない方針。大麻取締法違反で逮捕された永山絢斗容疑者の出演番組も現在、配信停止中だが、準備でき次第、配信を再開する予定だという。