「バービー」原爆コラで話題「オッペンハイマー」は「広島が公開運動していい」鑑賞の映画監督が主張
「怨泊」などを手がけた映画監督・藤井秀剛氏が5日、原爆開発を描いた米映画「オッペンハイマー」を鑑賞したことを明かした。藤井監督は海外を拠点に活動しており「今問題の映画一足早く香港で見ちゃった。」と同作を香港で見たと明かした。
「オッペンハイマー」は第2次大戦中に原爆開発を主導した米物理学者ロバート・オッペンハイマーの半生を描いた作品。「ダークナイト」(2008年)などで知られるクリストファー・ノーラン監督がメガホンを取った。約3時間の大作だが、広島と長崎への原爆投下のシーンは描かれていないという。オッペンハイマー博士は被爆地の実態を聞いて苦しみ、責任を感じて水爆の開発に反対。ソ連のスパイ疑惑で国家機密に関わる資格を剥奪された。
藤井監督は「完璧反戦反核映画だし自国自虐映画。しかもジャップって言葉もあえて(多分)使わず日本への配慮が見える。広島が進んで公開運動していいと思う。」と核兵器礼賛映画ではないと強調。「日本をバカにした映画が沢山公開されんのになんでこれダメなの?」と日本公開が未定であることに疑問を投げかけた。
「オッペンハイマー」は米国で「バービー」(日本公開11日)と同じ7月21日に公開され、話題となっている。SNS上では両作をともに鑑賞するムーブメントを示す造語「Barbenheimer(バーベンハイマー)」も拡散している。
「#Barbenheimer」のムーブメントの中で、原爆のきのこ雲と「バービー」のキャラクターを合わせたようなファンのコラージュがあり、これに米「バービー」公式X(旧ツイッター)が好意的コメントを寄せるなどして、日本では大きな反発の声が上がった。原爆を茶化したような行為に好意的なスタンスを示したことに、米ワーナー・ブラザースは「ワーナー・ブラザーズは、最近の無神経なソーシャルメディアへの関与を遺憾に思っております。スタジオとしては心よりお詫び申し上げます。」と声明を公表した。
ただ、この声明は取材に対して出したものであり、広島に原爆が投下された日本時間6日でも米「バービー」の公式サイト、SNSなどでは何の反応も示されていない。