「ザ・バンド」ロビー・ロバートソンさん死去 80歳長い闘病生活の末
伝説的なロックバンド「ザ・バンド」のギタリスト、ソングライターとして知られるロビー・ロバートソンさんが9日、米ロサンゼルスで死去した。米メディアが報じた。80歳。カナダ・トロント出身。長く闘病生活を送っていた。公式フェイスブックによると、妻、元妻、子供たちらにみとられた。旧知の仲であるマーティン・スコセッシ監督の最新作「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン」の映画音楽を制作したばかりだった。
ロバートソンさんは43年、ユダヤ系の父とモホーク族の母との間に生まれた。
58年、後にザ・バンドのメンバーとなるリヴォン・ヘルム、リック・ダンコ、ガース・ハドソン、リチャード・マニュエルとともにロカビリーのスター、ロニー・ホーキンスのバックバンド「ザ・ホークス」となり、エレクトリック転向期のボブ・ディランのバックバンドを経て、68年にザ・バンドのデビューアルバム「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」を発表した。
北米のルーツ音楽の豊かな教養を踏まえた独自のスタイルで知られ、ジョージ・ハリスンやエルトン・ジョン、エリック・クラプトンら多くのアーティストに影響を及ぼしたが、長いツアー生活を嫌ったロバートソンさん主導で76年に解散コンサート「ラスト・ワルツ」を開催した。
解散に否定的だった他メンバー、特にヘルムとは、解散の経緯や楽曲のクレジットなどを巡って軋轢があった。ヘルムからは著書で痛烈に非難され、83年以降の再結成にも参加しなかった。
解散後はソロアルバムや映画音楽などを制作し、坂本龍一さんのアルバム「ビューティ」(89年)にも参加。2017年には自伝を発表した。