桑原和男さん死去 87歳老衰 「神様~!」「垂れ乳」ギャグで人気 新喜劇黄金時代支える

 「神様~!」「垂れ乳」などのギャグで親しまれた吉本新喜劇の元座長、桑原和男(くわばら・かずお、本名九原一三=くはら・かずみ)さんが10日、老衰のため神戸市内の病院で死去した。87歳。福岡県出身。通夜は11日、葬儀告別式は12日に近親者で行う予定。

 1936年生まれ。55年、夢路いとし・喜味こいしに弟子入り。56年に漫才師となり「原こちら」の芸名で舞台に上がった。61年、吉本新喜劇の前身「吉本ヴァラエティ」に入団し、体のキレを武器にしたギャグで舞台を駆け回るスタイルを確立。69年に座長に就任し、吉本新喜劇の黄金時代を築いた。

 80年代末、吉本新喜劇の再生、世代交代を目指した「新喜劇やめよっカナ!?キャンペーン」で多くのスターが去る中、残留。最年長として、味のある演技で後進を支えた。

 和子ばあちゃんこと「桑原和子」を務め、ストッキングで自作した通称「垂れ乳」を取り出し自分でもみだす一人芝居などギャグは多彩。「ごめんください」と現れ、そのまま1人で「どなたですか」、「○○と申します」とやりとりを続け「お入りください」、「ありがとう」と笑わせるのが定番だった。

 「神様~!」の絶叫で始まる看板ギャグは、ツィゴイネルワイゼンが流れ、延々と一人語りを続け、最後に「ご清聴ありがとうございました」とペコリと頭をさげてズッコケさせる至芸だった。

 00年7月に急性心筋梗塞で入院、手術。20年10月の「よしもと大笑い祭り寄席」が最後の舞台となった。昨年11月にはなんばグランド花月に来場。車いすで新喜劇を観覧した。

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